配管のバーリング加工方法と依頼から納品までプロセスを解説
パイプには流体や経路に応じた形状があり、それぞれが重要な役割を持ちます。1本のパイプから分岐が必要な場合、従来であればチーズ継手を使うことが多くありました。
しかし、バーリング加工を活用すればチーズ継手を使う必要がなく、溶接箇所が3カ所から1カ所になるため、コスト低減と品質向上に繋がります。
この記事では、さまざまなメリットのあるバーリングとは一体どのような加工方法なのか、また実際に依頼し納品するまでのプロセスを紹介します。
バーリング加工方法
バーリングの加工方法は次のような手順で進みます。
- 下穴あけ
- バーリング(枝出し)加工
- 加工原形
- バーリング加工部の仕上げ(フェースカット)
- バーリング加工部と枝管の接合
それぞれの加工方法について順番に解説します。
1.下穴あけ
パイプの真ん中に下穴をあけます。初めにする作業で、穴を的確な大きさであけなければ次の作業で亀裂が入る可能性があり、非常に重要な工程です。
2.バーリング(枝出し)加工
パイプの中に特殊金型を入れ、油圧シリンダーと接続して引き抜いて円筒状の縁(枝管)を作ります。引き抜く際、母管の変形を防ぐため、穴の外側に抑え金具板を設置します。
3.加工原形
バーリング加工した後、変形がないよう元の形にとどめます。
4.バーリング加工部の仕上げ(フェースカット)
バーリング(枝出し)部の高さは母管の肉厚の1.0倍以上とし、バーリング(枝だし)部の厚さは溶接する枝管の肉厚になるよう内面開先します。
5.バーリング加工部と枝管の接合
バーリング加工部と枝管を溶接します。
バーリング加工の注意点
バーリング加工をする際は、技術を持った作業員が慎重に作業することが重要です。バーリングマシンを使用するため安定した作業が行えますが、加工時には、穴の周囲に亀裂が生じたり、母管が変形したりすることがあります。
また、基本的にバーリング加工はメインの口径と同じサイズの枝出しができません。同じ口径でバーリング加工すると、パイプの腹部に凹みが生じる可能性があり、耐久性が保証できなくなるのです。ただし、枝管の口径を母管のサイズから1サイズでも落とすことでバーリング加工が可能になります。
本来、継手を使用してメインのパイプから細いサイズの枝管へ落とす場合、レジューサーを使用します。しかし、通常販売されているレジューサーは4段落ちまでの形状しかないため、継手の数が多くなってしまいます。
継手が多くなればコストや時間がかかるうえ、継手の溶接部からの漏水リスクも上がります。そこで配管をバーリング加工すれば、母管100Aから枝管40Aへ、溶接継手を使わず対応できます。
配管をバーリング加工する際は裂傷や変形に注意
この記事では、配管のバーリング加工方法と依頼から納品のプロセスについて紹介しました。三興バルブ継手株式会社では、バーリング加工を施した配管もお客様のご要望に沿ってお届けします。 お客様のご要望に沿って管割図を作り、確認後、加工した配管を納品いたします。
選定や納期など、配管のことで課題やお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。