配管ジャーナルPiping Journal

省人・省施工ソリューション

BIM/CIMとは?両者の違いや導入によるメリットを解説

近年、清水建設がAR技術で施工管理を支援する「Shimz AR Eye」を実用化したり、大成建設が遠隔巡視システムロボットを導入するなど、建設業界のDX化が身近なものとなりました。

この業界で特に懸念されるのが人材不足で、DXによる省人化は救世主と見られています。しかし、建設業界でのDXが何を現すのかわからない人も少なくないでしょう。

この記事では、建設業界のDXについて、メリット・デメリット、デジタル技術を活用した方法などを紹介します。

建設業界のDXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、システムやデータなどのデジタル技術を活用し、顧客の視点に立って新たな価値を生み出すことです。ビジネスモデルや企業文化などの変革を通じて業務を効率化し、より競争力のあるビジネス環境を構築します。
(参考:
DX推進指標とそのガイダンス|経済産業省

DXは紙文化を解消するIT化と混同される場合がありますが、厳密には異なります。IT化が業務プロセスを効率化し、社内の環境を整えるのに対して、DXは最新の技術により従業員や取引先、職人がムリなく働けるようサポートします。

その結果、作業工程に余裕ができる発注者や建築主、施主などが望んでいた通りの形ができ、従業員の満足度・モチベーションの向上に繋がります。このように、DX化は顧客体験を変革することができます。

建設業界では、省人化や技術のスムーズな承継、安全性の向上、過重労働の解消が求められています。ICTやIoT、AIなどの最新テクノロジーを積極的に活用することで、建設業界における各プロセスの負担を軽減し、生産性を向上させることが可能となります。

 

この記事では、配管系統図や使用する記号などを解説します。建設に携わる方にとって重要なスキルの1つとなる配管図面の見方を学べる内容です。

DX推進で懸念される2025年の崖

DXを推進する上で、2025年以降に年間最大12超円の経済損失が生じるとの試算があります。経済産業省ではこれを「2025年の崖」と呼び、DXを進める上で2つの課題があるとしています。

1つは、既存システムが事業部門ごとに構築されていることでデータを一元化できないうえ、過剰なカスタマイズによって複雑化・ブラックボックス化していることです。もう1つは、経営者がDXを進めようとしても、現場サイドの抵抗によってスムーズにいかないことが挙げられます。

これらの課題を解決するためには、システム全体の見直しと共に、DXを促進するメリットを現場にも伝えて理解を促すことが重要です。
(参考:DXレポート|経済産業省

建設業界でDXを促進するメリット・デメリット

ここでは、建設業界でDXを促進するメリット・デメリットについて解説します。

建設業界でDXを促進するメリット

建設業界でDXを促進することによって、人材不足の解消、業務の効率化、ノウハウのスムーズな共有などが可能になり、生産性の安定・向上につながります。

例えば、建設前の現地調査や測量、設計段階では、3Dレーザースキャナーや3DCADなどを活用して3次元モデルを作成することで、構造・設備設計、意匠表現などの情報を一元管理できます。

誰にでもわかりやすい立体的な図面を用いれば、設計への理解がスムーズになると共に、リモートでの打ち合わせなども行えるため、移動時間の軽減も含めた業務の効率化につながります。

建設業界でDXを促進するデメリット

デメリットは、費用がかかることやIT知識が必要になることです。建設業でDXを促進するには、点検や調査、データ収集を行うためのドローンや情報通信技術を搭載したICT建機などを導入する資金が欠かせません。

また、IT知識がなければ、デジタル技術を取り入れたシステムや機器を使いこなすのは困難です。既存のシステムとの兼ね合いもあるため、社内に詳しい知識のある人材が必要になります。

シンプルでわかりやすい施工管理アプリなどから段階的に取り入れるか、外注することによって、DXを進めていくなどの対策を講じるといいでしょう。

 

この記事では、配管系統図や使用する記号などを解説します。建設に携わる方にとって重要なスキルの1つとなる配管図面の見方を学べる内容です。

建設業界のDXで活用される3つのデジタル技術

建設業界でDXを進めるためには、次の3つのデジタル技術の活用を検討しましょう。

  1. CIM/BIM
  2. ドローン・3Dレーザースキャナー
  3. ICT建設機械

それぞれについて解説します。

CIM/BIM

CIM(Construction Information Modeling/Management)とは測量や設計、施工、維持管理を一貫して管理する情報システムのことです。建築施工の各プロセスに3次元モデルを導入することによって、仕様などの基本的な属性情報のほか、これまで想定できなかった課題や潜在的な問題などを可視化できます。

BIMとCIMでは対象物が異なります。BIM(Building Information Modeling)は、コンピューター上に建物の立体モデルを構築するシステムで、ビルや店舗などの建築の際に活用する一方、CIMは、橋やダムなどの土木構造物の建設を対象としています。

企業はCIM/BIMを導入することによって、建設生産プロセス一連の効率化につながるでしょう

ドローン・3Dレーザースキャナー

ドローンや3Dレーザースキャナーを活用することによって、点検や現地調査の時間が軽減できます。レーザーの反射を利用し、人の立ち入りが困難な場所への侵入が容易に行えるからです。取得した3次元座標データを利用すれば、正確な3次元図面が作成できます。

従来活用されていた人工衛星によるGNSS測量機器やトータルステーションでは、現地調査した後にデータ化していたため、平面図や設計図などの作成に手間がかかっていました。

ドローンや3Dレーザースキャナーを活用することによって、測量から図面完成まで一気通貫して行え、なおかつ1人で現地調査も実施できます。そのため、省力化に加えて、人件費削減にもつながります。

ICT建設機械

ICT建設機械を活用すれば、経験の浅いオペレーターでも施工を行いやすくなるでしょう。ICT建設機械とは、自動制御機能や操作補助機能でサポートを受けながら操作できる建設機械です。

自動制御タイプには、自動で追尾する位置検測装置が搭載されており、重機が自動的にコントロールできます。操作補助タイプでは、操縦席のモニターに映し出された計算結果に基づき、オペレーターは自力で重機を操作します。

ICT建設機械の活用は、人手不足に悩む建設業界で経験の浅いオペレーターでも働きやすくする1つの手段だといえます。

デジタル技術を導入してDXを推進しよう

建設業界のDXは、CIM/BIMやドローン・3Dレーザースキャナー、ICT建設機械などの導入により、生産性を向上させ、企業に変革をもたらす取り組みです。DXを進めるためには、システムや設備投資に資金がかかるため、プロセスを部分的に外注することも1つの手段です。

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