配管ジャーナルPiping Journal

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さや管ヘッダー工法とは?メリットやデメリットも解説

さや管ヘッダー工法は、配管工法の一種で、樹脂製のさや管の中に給水管を通す配管工法です。工業分野や建設設備において、トラブル防止や作業効率、メンテナンス性の向上などの目的で導入されています。

この記事では、「さや管ヘッダー工法とは?」という基本的な疑問に答えながら、そのメリットやデメリットについても解説していきます。

さや管ヘッダー工法とは

さや管ヘッダー工法は、従来の先分岐配管方式とは異なり、樹脂製のさや管の中に給水管を通す配管工法です。ここでは、さや管ヘッダー工法の概要を解説します。

さや管ヘッダー工法の概要

さや管ヘッダー工法は、給水のヘッダー部より各端末水洗や機器までをそれぞれ1ずつパイプを通していく工法になります。

現在の主流である先分岐方式(主管からそれぞれの水栓に細い管で分岐する方式)と比べると、分岐する継手が少なくなる可能性が高く、漏水リスクが減るというメリットがあります。 

また、1つのヘッダーより給水・給湯を行うので、圧損が少なくなり水圧が安定するともいわれています。

さや管とは

さや管ヘッダー工法に使われる「さや管」とは、樹脂製の管の一種です。柔軟で曲げやすく、内部に給水管を通すことが可能となります。さや管は、配管工事や建築物の給水システムにおいて使用されることがあります。

さや管には給水用の青色と、給湯用のピンク色の2種類があり、配管のサイズも豊富です。さや管は、その名前が示すように、刀の鞘のように内部の配管を守るような仕組みになっています。薄くて柔らかく、耐久性があり、軽量で取り扱いやすいという特徴があります。

さや管ヘッダー工法のメリット・デメリット

さや管ヘッダー工法のメリットとデメリットを解説します。

さや管ヘッダー工法のメリット

さや管ヘッダー工法のメリットとは、主に以下のものです。

・継手がないため漏水のリスクが少ない
・水圧が一定になる

さや管ヘッダー工法では、さや管内に給水管を通すだけで配管が完成します。継手が少なくて済むため、施工が迅速かつ容易であり、漏水のリスクが少ない点は大きなメリットです。さらにさや管ヘッダー工法は均等に給水されるため、水圧が一定で安定しています。

さや管ヘッダー工法のデメリット

・事前に配管計画を綿密に立てる必要がある

さや管ヘッダー工法の導入時には事前に入念な配管計画が必要です。また、配管ルートやヘッダーの取付位置の打合せが必要で、施工計画にある程度の技術力が求められます。

さや管ヘッダー工法の歴史

さや管ヘッダー工法は、集合住宅のために1983年に住宅都市整備公団が考案した工法です。そのため、さや管ヘッダー工法の導入先の多くはマンションや団地などの集合場宅が主でしたが、1997年4月に当時の厚生省が水道法施工令を改正し、さや管ヘッダー工法が戸建てにも導入できることとなりました。

その後、1999年6月に旭化成ホームズ株式会社が提供する戸建て住宅「ヘーベルハウス」でさや管ヘッダー工法が採用され、日本の戸建て住宅にもさや管ヘッダー工法が使われることとなりました。

参考:古河電気工業株式会社 さや管ヘッダー工法の戸建て住宅への適用

樹脂管工法の選択は計画的に!

さや管ヘッダー工法は従来の先分岐配管方式の工法とは異なり、漏水が少ないなどの大きなメリットがあります。先分岐工法に加え選択肢の1つとして配管計画を立てられることをお勧めします。

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