ゲートバルブのハンドルの交換方法とは?ゲートバルブの交換が必要なケースも確認
ゲートバルブは仕切弁とも言われ、流体を仕切る役割を担います。一般的によく用いられるバルブの1つで、ハンドルを回すことで弁棒についた弁体を上下させ流路を開閉します。
バルブの劣化により機能が保てず不具合が生じている場合や定期点検の際、ハンドルの交換が必要になることがあります。また、状態によっては部品交換ではなくゲートバルブ自体の交換が必要なケースもあります。
そこでこの記事では、ゲートバルブのハンドルの交換方法のほか、ゲートバルブ自体の交換が必要なケース、交換の際の注意事項、バルブの選定の仕方、配管への取り付け方を解説します。
ゲートバルブのハンドルを交換する方法
経年変化による腐食でゲートバルブのハンドルが破損している場合は、ハンドルを交換する必要があります。
ハンドルは、「ハンドル押さえナット」を取り外すことで弁棒から取り外せます。新しいハンドルと「ハンドル押さえナット」を弁棒に取り付けることで交換可能です。
ゲートバルブ自体の交換が必要なケース
ハンドルが動かなかったり空回りしたりする場合は、ハンドルの交換ではなくゲートバルブ自体の交換が必要です。
ハンドルが開いたままあるいは閉じたままで動かない場合、経年変化により部品が消耗し、劣化や破損により「固着」が起こっている状態です。固着はゲートバルブの故障の主な原因の1つです。また、ハンドルが空回りしている場合は、ネジ山が破損していることによって、締まりも緩みもせず空回りしていると考えられます。
これらのケースでは、ゲートバルブ自体を交換することになります。
ゲートバルブの交換方法
ここではゲートバルブの交換方法について、必要な道具、手順について紹介します。
ゲートバルブ交換に必要な道具
ゲートバルブを交換する際に用意しておくとよい工具を紹介します。
- スパナ
- プライヤーやレンチ
- シール材
- シールテープ
ナットやボルトを締めたり緩めたりするスパナ、プライヤーやレンチが必要です。プライヤーやレンチがあると、水道管などの筒状の部品をつかむときでも滑らず固定できます。レンチには様々な種類がありサイズも異なるため、配管に合わせたレンチを準備しましょう。
配管との接合部分に使用するシール材とシールテープも必要です。いずれも接合部において隙間をふさぐのに用いられ、流体の漏れを防ぎます。
ゲートバルブ交換の手順
ゲートバルブの交換方法は以下の手順で行います。
- ゲートバルブと配管が固定されている接合部分をレンチなどで外す
- 新しいゲートバルブを取り付ける配管の接合部分にシール剤を塗布する
- シール剤を塗布した部分にシールテープを巻く
- 他方の接合部分の配管にも同様にシール剤とテープを施す
- 工具を使用せず手で、配管にゲートバルブをねじ込む
- スパナやレンチを使い取り付ける
シール剤とシールテープは、併用しない場合もあります。併用する場合でも、シールテープを巻いた後にシール材を塗布する場合もあるため、元請け企業がある場合は、手順を確認して作業する必要があります。
ゲートバルブ選定の際の注意点
ゲートバルブ自体の交換をする場合は、新しいゲートバルブの選定が必要です。ここではその際の注意点を2つ解説します。
使用条件を確認する
バルブには製品仕様により使用範囲があるため、使用条件に合ったバルブの選定が大切です。
使用条件が異なるバルブを使うと、腐食や、流体の流れの圧力さにより泡の発生・消滅が起こる「キャビテーション」、圧力の上昇・下降による衝撃が発生する「ウォーターハンマー」などにつながる恐れがあるため注意が必要です。
また、バルブの呼び径についても適切な流速を考慮して選定しなければなりません。サイズが合わないバルブを使うと、流体が流れにくくなる「圧力損失」が起こる可能性があるためです。圧力損失が起こると、想定の機能を損なう恐れがあります。
バルブの素材を確認する
バルブには以下のようにさまざまな素材が用いられます。
- 高温高圧用炭素鋼鋳鋼品(SCPH2)
- ダグタイル鉄鋳造品(FCD-S)
- 青銅(CAC13A)
- 黄銅(C3771)
- ステンレス鋼鋳鋼品
例えば、高温、高圧下のプラントには、引張強度、衝撃などに高い耐性がある高温高圧用炭素鋼鋳鋼品、コストパフォーマンスを重視するなら、銅と同程度の硬度を持つダグタイル鉄鋳造品といったように、それぞれ適性があります。
また、青銅と比較して強度や気密性に優れる黄銅は、アンモニアを含む材料により腐食する可能性があるため注意が必要です。
安全なラインの稼働のためには、目的のほか使用環境なども確認し、適切な素材のバルブを選定する必要があります。
ゲートバルブを配管に取り付ける際の注意点
配管作業は足場の安全を確保して転落などの事故を防止できるよう、注意を払って作業しなければなりません。操作点検やメンテナンスすることを考慮して、十分なスペースを確保しましょう。
また、以下についても注意が必要です。
- 異物を取り除く
- ハンドルの向き
- 締め付け加減
異物を取り除く
ゲートバルブを配管に取り付ける際、接合部分のねじ部に異物が残っている場合は十分に清掃して取り除きます。
取り付け後は、ねじ部の緩みがないかどうか忘れずに点検します。また、配管ラインのバルブを全て全開にして、配管内部の異物などを除去し循環洗浄する「フラッシング」を行いましょう。
ハンドルの向き
ゲートバルブをハンドルに取り付ける際は、配管に対してハンドルの位置が平行あるいは垂直になるように取り付けます。ハンドルが下向きになると、異物やゴミが滞留し開閉の妨げになる恐れがあるため注意が必要です。
ゲートバルブには流れの方向の指定はありませんが、ハンドル操作ができる位置に取り付けましょう。
締め付け加減
配管への取り付け時に、ねじ込みすぎると破損する恐れがあります。ねじ部が損傷すると取り付けに不具合が生じるため、十分に注意しましょう。
まとめ:ゲートバルブを交換すべきケースを確認しておこう
ゲートバルブを含むバルブは、1年に一度程度の定期点検がおすすめです。その際、ハンドルの交換ではなくゲートバルブ自体の交換が必要になるケースもあります。
バルブの故障の原因の1つに固着があります。固着するとバルブの交換が必要なため、バルブの交換方法はよく確認しておくことをおすすめします。
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