ゲートバルブのハンドルの外し方と注意事項を解説
ゲートバルブを含むバルブは、流体の方向や量を制御するなど設備の中で重要な役割を担っています。高温高圧や長時間運転などの厳しい環境で使用されることも多く、それぞれの部品に負荷がかかりやすい機構です。そのため、定期的に点検しメンテナンスする必要があります。
その際、ゲートバルブ自体の交換が必要なケースもありますが、ゲートバルブを分解して清掃したり、ハンドルを含む特定の部品だけを取り替えたりする場合もあります。そのため、ゲートバルブを扱うにはハンドルの外し方やゲートバルブの分解方法を知っておかなければなりません。
そこでこの記事では、ゲートバルブのハンドルの外し方を含めた分解方法や注意事項を説明します。
ゲートバルブのハンドルの外し方と分解方法
経年変化で腐食によりハンドルが破損している場合は、ゲートバルブのハンドルを交換しなければなりません。ハンドルは「ハンドル押さえナット」を取り外すことで弁棒から取り外せます。
経年劣化によるパッキン交換や分解清掃に対応するために、分解方法について確認しておきましょう。ゲートバルブの分解方法は商品によって多少異なりますが、以下のような流れで行います。
- ハンドルを回して弁体を持ち上げ、半開の状態にする(半開にすることで、弁体と弁箱の破損を防ぎ、分解もしやすくなる)
- 「ハンドル押さえナット」をゆるめる
- 「パッキン押さえナット」をゆるめる
- 弁箱のふたのあたりを工具で軽く叩き振動を与え、外れやすくする
- 弁箱とふたのボルト・ナットを取り外す
- 弁棒と弁体がぶら下っているふたを、弁箱から取り外す
- 弁棒から弁体を取り外す
- 弁棒から「ハンドル押さえナット」を取り外してハンドルを取り外す
- ふたの下側から弁棒を取り外す
- ふたから「パッキン押さえナット」を取り外し、「パッキン押さえ」「パッキン」などを取り外す
取り外した部品は紛失や変形に注意しましょう。
ゲートバルブのハンドルを分解する際の注意点
ハンドルを外すなどゲートバルブを分解する場合は、バルブ内の流体がかからないように、作業手袋や保護眼鏡、安全靴などを身につけて作業を行います。また、以下の点にも注意しましょう。
変形や傷がつかないように注意する
弁箱や弁棒のねじ部、弁体などが傷つかないように注意しましょう。
ゲートバルブは、弁体が上下することで流路が開閉し、流体を制御します。部品が変形すると、弁体がスムーズに動かなくなる恐れがあり、流体の制御に影響するため注意が必要です。
特に弁体は精密に作られていて、変形すると修復できません。変形した場合は交換が必要になります。
弁箱のふたを取り外すときは慎重に行う
弁箱のふたを取るときは慎重に行わなければなりません。
ふたを外すと、弁棒と弁体が一緒に弁箱から外れます。このとき、ふたに弁棒と弁体がぶら下がっている構造のゲートバルブの場合は、落とさないように注意し、ゆっくりと引き上げます。
また、組み立てが容易なように弁体の入れ向きを確認しておかなければなりません。組み立て時に方向を合わせやすいように、ふたを外す前にふたと弁箱をまたいで印をつけ、弁体にも印をつけておくとよいでしょう。
残圧があるときは一時放置する
残圧があるときはなくなるまで放置しましょう。
残圧があるときは、ナットを外していく過程で「シュー」という音とともに流体が漏れる場合があります。この場合は音がなくなるまで一時的に放置します。残圧がなくなり安全の確認ができてから作業を再開してください。
ゲートバルブの点検・メンテナンス時のポイント
ゲートバルブが故障する多くの原因が、開いたままあるいは閉じたままで動かなくなる「固着」です。固着が起こると突然ラインが止まるといったトラブルも起こりかねません。
ここでは、固着を予防するためのポイントを3つ解説します。
消耗品を定期的に交換する
部品ごとに耐用年数を定めて、定期点検の際に交換しましょう。
ゲートバルブは、経年変化により部品が消耗すると劣化や破損によって固着を招く可能性があります。パッキンや弁体などの消耗品は、見た目には変化がわからない場合でも、予防保全として定期的に交換するとよいです。それによってトラブルを未然に防げます。
分解清掃を行う
ゲートバルブの定期点検の際は動作確認を必ず行い、1年に1度程度は分解清掃を行うとよいでしょう。
開閉操作の頻度が少ないと、ゲートバルブの部品にサビが発生して腐食し、固着する恐れがあります。定期点検を行っていても固着が発生する場合があるため、分解清掃を行い弁箱の中まで確認することをおすすめします。
内ねじ式と外ねじ式の違い
ゲートバルブには、弁体を上下させる弁棒のねじ部の位置の違いで、内ねじ式と外ねじ式があります。弁棒のねじ部が流体に接する内側にあるのが内ねじ式、外側にあるのが外ねじ式です。
弁棒ネジに異物が固着している場合など、内ねじ式では分解点検が必要ですが、外ねじ式では分解せず異物除去できる場合があります。
外ねじ式は、ねじ部が流体に接しないため、ねじ部の腐食などが起きにくいです。また、内ねじ式と比べると保守・メンテナンスや部品の交換が容易な場合があります。
ハンドルは回しすぎない
ハンドルは回しすぎず、遊びを持たせておきましょう。
ハンドルはサビやゴミなどで必ず固くなります。ハンドルを限界まで回してしまうと、経過とともにハンドルが動かなくなることは少なくありません。固着を防ぐために、全開にした場合は45度程戻して遊びを持たせておきましょう。
まとめ:ゲートバルブのハンドルを含めた分解方法はしっかり確認しておこう
ゲートバルブを含むバルブは、配管に取り付けられた状態で、1年に一度程度の定期点検の実施がおすすめです。それによって、機能が劣っていないか、安全に作動しているかを確認できます。
その際、パッキンなどの消耗品は定期的に交換するとよいです。また、分解清掃で状態を確認しましょう。その際ハンドルを外す分解作業が発生するため、分解方法はしっかり確認しておきましょう。
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