小型電気温水器を利用するメリット5選を徹底解説
小型電気温水器とは、電気を動力源とする給湯器の一種であり、低コストかつ火災のリスクが少ないというメリットが挙げられます。一方で、水圧が弱く、想定以上の利用頻度で使うとお湯切れを起こすといった面もあります。 この記事では、小型電気温水器のメリット・気を付けたい部分やタイプ一覧について解説します。
小型電気温水器とは
小型電気温水器は、電力を動力源とする給湯器の一種です。内部にあたる貯蔵タンクでお湯を沸かして給湯します。電気ポットを大きくしたものをイメージするとわかりやすいでしょう。 小型電気温水器は一般家庭のほか、オフィスビルの給湯室や厨房、ショッピングモールのトイレにある手洗いなどにも使われています。
給湯器の種類
一般的に給湯器と言われるものは大きく以下の種類に分けられます。 下記の給湯器以外に、ガスと電気のハイブリッドタイプもあります。
給湯器の名前 | 特徴 |
電気給湯器 | 【電気温水器】電熱ヒーターを使いお湯を作る |
ガス給湯器 | ガスを使ってお湯をつくる |
エコキュート | 【エコキュート】大気中の熱を使ってヒートポンプでお湯をつくる |
小型電気温水器の用途
小型電気温水器は一般住宅向けとパブリック向けがあります。 一般住宅向けは、住宅のキッチン、洗面所、お風呂やシャワーでお湯を出すために使われます。パブリック向けはオフィスビルの給湯室や大型商業施設の洗面所・トイレ、飲食店の厨房で利用されることが多いです。
小型電気温水器を利用するメリット5選
小型電気温水器を利用するメリットを5つ挙げて解説します。
1.小型電気温水器は初期費用が安い
小型電気温水器は数万円程度から商品があるため、初期費用安く抑えられるのがメリットです。 一方で、同じ電器給湯器でもエコキュートのような電気給湯器は、初期費用に数十万円以上かかる事もあります。比べると、小型電気温水器は安価に導入できることがわかります。
2.小型電気温水器は小規模工事で済む
小型電気温水器は、設備と小型電気温水器本体を接続するだけで使えるため、その日のうちに工事が完了することがほとんどです。 給湯器を設置する工事の場合、工事前に近所に説明に回る必要があるため、小型電気温水器の工事規模は小さいため、そのような手間が不要なことが多いです。 ただし、マンションなどの集合住宅に小型電気給湯器を設置する場合、大掛かりな配管工事が必要なことがあるため、注意が必要です。
3.水栓・コンセントがあれば設置可能
ガス給湯器の場合、水道管のほかにガス管も配管する必要があるため、設置場所を選ばなければなりません。小型電気温水器は水栓とコンセントさえあれば設置可能なので、設置場所を比較的自由に選べます。
4.安全性が高い
ガス給湯器の場合はガスを利用して給湯器で燃焼させてお湯を沸かすため火災発生のリスクがあります。小型電気温水器の場合は電気でお湯を沸かすため、ガス給湯器に比べ火災のリスクは低減します。災害時には、貯湯タンク内にあるお湯をそのまま利用できるのもメリットです。
5.地球環境にやさしい
一般的なガス給湯器の場合、水を温めてお湯になるまでに数十秒かかるため、蛇口をひねってもすぐにお湯が出ませんが、小型電気温水器はあらかじめ水をお湯にして貯めておくので、すぐにお湯が出てきます。(注:配管距離が長い場合を除く) 蛇口をひねり、水がお湯になるまで待つ必要がないため、水の使用量を減らせますし、電気式であるためCO2の発生が少なく、エコで地球環境にやさしいです。
小型電気温水器を利用する上の注意点
小型電気温水器を利用する上で気を付けたい点を2点挙げて解説します。
水圧が弱い
ガス給湯器に比べて水圧が弱いことがあります。減圧弁で水圧を調整しているために起こる現象で、水圧を上げるために無理に減圧弁を取り外すと故障の原因となります。小型電気温水器でシャワーを利用する場合、抵抗値が増し、水圧が弱まるのでこの点も注意が必要です。
タンクの容量が少なくお湯切れを起こす可能性がある
小型電気温水器はコンパクトに設計されているため、エコキュートに比べるとタンク容量が少なく、お湯切れを起こす可能性があります。小型電気温水器を選ぶ際には、家族構成や利用目的からタンク容量の大きさを選択すると良いです。洗面台やキッチンに設置する小型電気温水器は6〜25リットルの容量が主流です。
小型電気温水器のタイプ一覧
小型電気温水器の出湯方式・出湯タイプの一覧について解説します。
小型電気温水器の出湯タイプ一覧
小型電気温水器の出湯タイプ一覧について紹介します。
出湯温度可変タイプ
「出湯温度可変タイプ」は、お湯が出る瞬間に温度を適切にする機能がある小型電気温水器です。蛇口で温度を調整するため、扱いを間違えると火傷するリスクがあります。
適温出湯タイプ
「適温出湯タイプ」は内部で温度を調整してお湯を吐き出すタイプのため、火傷のリスクが低いです。子供がいる家庭におすすめです。
密閉型小型電気温水器の出湯方式一覧
小型電気温水器の出湯方式一覧は以下の通りです。
先止め式
タンクの先に水栓金具を取り付けて、コントロールする方式を「先止め式」と呼びます。タンクの外で水を止めるためタンク内に残る圧力を減圧弁を使って調整します。 また、温度をあげた際に圧力がタンクにかかるため、逃し弁も取り付けられています。
元止め式
湯沸かし器の本体でお湯を止めている湯沸かし器を「元止め式湯沸かし器」と呼びます。 利用場所の近くに湯沸かし器が設置されており、湯沸かし器本体の操作でお湯の出し止めができます。水栓金具が特殊であり、選択した電気温水器に対応する専用水栓の選定が必須となっています。
瞬間型の小型電気温水器もある
瞬間型の小型電気温水器は、給湯栓を開けた瞬間に水を熱して給湯する構造の温水器です。 貯湯タンクではなく、水道から引いてきたお水を熱しているため、湯切れせず、給水圧とほぼ同じ給湯圧でお湯を供給できます。 ただし、瞬間的にお湯にするため、必要な電力量は密閉式よりも大きくなるのが注意点です。
小型電気温水器の設置場所
小型電気温水器の設置場所として、次の3種類があります。
- 壁設置→壁に温水器本体をかけて設置する
- 床に設置→収納などの床部分に設置する
- 台の上に設置→カウンターや調理台の天板上に設置する
それぞれのメリット・注意点は以下の表の通りです。
設置方法 | メリット | 注意点 |
壁掛け | ・下方のスペースが空くため有効活用しやすい ・煙突に触れづらいので火傷の心配が少ない ・燃焼音が小さくなる | ・給湯器の上の掃除がしづらい ・頭をぶつける可能性がある |
床置き | ・給湯器の上にある汚れを掃除しやすい ・貯湯タンク付きの給湯器がある | ・サイズが壁掛け型に比べて大きいのでスペースを取る ・煙突が低いと火傷する可能性がある ・サイズが大きく、重量も壁掛けに比べると重いため、即日修理できない可能性がある |
置台 | ・電気ポットと違い自動で給水を行うため、作業の手間も省ける | ・高温沸し上げし設定した温度をそのまま給湯するので火傷に注意が必要 |
まとめ:小型電気温水器はビルや集合住宅への設置がおすすめ!
コンパクトで大がかりな工事をせずに設置可能な小型電気温水器は、オフィスビルや商業施設、マンションのような集合住宅に設置するのに向いています。低コストで利用できるのがメリットです。ただし、お湯切れや水圧の弱さに気を付けて機種を選ぶことをおすすめします。
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