水道メーターの見方と検定有効期限について詳しく解説
水道メーターは、水道水の使用量を計る計器です。水道水の使用量を正しく計測するため、法令により、検定有効期限が8年に定められています。 この記事では、水道メーターの役割と種類、メーターの見方、水道メーターの検定有効期限についても解説します。
水道メーターの役割
水道管を設置する建物には、水道メーターの取り付けが必須です。水道水は水道事業体が管理しており、定期的に使用量の検針や点検を行うため、水道メーターの設置は非常に重要です。
水道事業体から水の供給を受けたり、施設内で各テナントなどに水を供給して料金を取引する場合などについては、必ず水道メーターを設置しなければなりません。料金取引のための検針値や施設管理などの使用量の管理などに使用します。
水道事業体は、水道メーターから検針した使用量を元に、水道料金を徴収します。水道料金は、水道事業の維持等に使用します。
水道メーターの種類
水道メーターは大きく分けて「直読式」と「円読式」の2種類があります。表示方法に違いがあります。
直読式デジタル式
直読式は、取引用に用いる「m3」(立方メートル)桁の数字が印字されたカウンターを直接読み取る方式のものを言い、円形の目盛を赤い針で示したものから読み取る円読部分があるもので構成されています。黒地のカウンターは立方メートルを表し、カウンターの白地に赤文字の数字は100リットル、赤い針はそれぞれ10リットル、1リットルの数値を表示します。
カウンターの桁数は、4桁、5桁、6桁があります。口径が25mmまでの水道メーターは4桁、30mmと40mmは5桁、それ以上は6桁なのが一般的です。
水道メーターには数字の他にパイロットメーターがついており、水が流れていると回転します。全ての蛇口を閉めているにも関わらずパイロットメーターが回っている場合は、漏水の可能性があります。
円読式
円読式は、m3からLまで全ての単位が円形の目盛りと針で構成されたものを円読式と呼びます。m3桁は黒く、100L以下は赤い針が配置されています。検針時には、左下から時計回りに数字を読み上げます。基本的に、黒い針は左側、赤い針は右側にあります。
黒い針が表示するのが立方メートル単位、赤い針が表示するのがリットル単位です。カウンターで数字が表示される直読式と異なり、すべての数値を針で表示するのが特徴です。
近年では、メーター表示部分がより鮮明になっている水道メーターや、集中計測器に信号を送る電子式やバルス式など、検針しやすいよう工夫された水道メーターもあります。
パイロット(回転指標)について
直読式にも円読式にもパイロット(回転指標)があります。パイロットは直径7mmの円形で、銀色の部分は8面体となっており光を反射する構造となっています。水道メーターに水が通ると、パイロットが回転します。水道水を使用していない状態なのにパイロットが回っていると漏水の可能性があります。
検定合格品とは
水道メーターの取り付け時には、計量法に基づいた検定に合格した水道メーターを選ぶことが定められています。ここでは、水道メーターの検定合格品と制度について解説します。
水道メーターの検定制度
水道メーターを取り付ける際には、経済産業省の省令により、水道メーター検定証印(または基準適合証印)を付した計量器を用いることが定められています。水道メーターの検定有効期間は8年で、有効期間を過ぎて使用し続けた場合には計量法によって罰則が定められています。
基準適合証印と検定有効期限シール
水道メーターは、検定に合格したことを認める「基準適合証印」が必要です。水道メーターには、基準適合証印とともに検定有効期限シールを添付します。
検定有効期限とは
検定を受けた水道メーターには検定の有効期限があり、8年間は有効です。水道メーターは、定められた検定有効期限を守って使用します。
検定有効期限が設けられている理由
有効期限を過ぎた水道メーターを使用し続けると、メーターの性能が劣化し、正しく計測できなくなります。こうした計器の不具合は、料金トラブルや水漏れなどを引き起こす原因になることがあります。
また、水道メーターの使用最大水量を超えて使用し続けると、有効期限内であっても水道メーターの性能劣化が進む可能性があります。このような理由から、水道メーターに有効期限が設けられています。
有効期限外のメーター使用は違法
有効期限を過ぎた水道メーターを使用し続け料金取引した場合、計量法第172条により、6か月以下の懲役、あるいは50万円以下の罰金に処せられ、またこれを併科されます。
集合住宅の場合、有効期限を過ぎたメーターの劣化が原因で、居住者から回収した水道料金に比べて、管理者が水道事業体へ支払う金額の方が高額になる可能性もあります。こうした事例が発生するのを防ぐためにも、計量法によって有効期限が8年と定められています。
私設メーター(子メーター)の場合
集合住宅やテナントビルなど、建物所有者や管理者が建物の管理のために設置する水道メーターのことを「私設メーター」または「子メーター」と呼びます。水道事業体や水道局が集合住宅の供給用に設置・管理しているメーターのことを「親メーター」と呼びます。
親メーターも私設メーターも、水道事業体や水道事業体、管理会社が、有効期限である8年以内に水道メーターを交換します。水道事業体や水道局へ支払った水道料金を各戸の子メーターに基づいて案分・徴収する場合、子メーターも有効期限内である必要があるからです。
有効期限が切れたメーターを基に料金徴収をした場合、建物・施設の所有者や管理者に対し、計量法第172条による罰則が科せられる可能性があります。
まとめ:水道メーターは検定合格品を正しく使用しよう
水道メーターは、料金徴収など取引や証明に使用される計測器の一種です。そのため、検定を受け、正しい記録を示す性能があることが求められます。また、水道メーターは経済産業省の省令で義務付けられた検定証印を受けた計器を使用することが必要です。
集合住宅やテナントビルなど、建物の管理者が建物全体の水道料金を入居者の使用量に基づき按分して請求する場合、各私設メーターは親メーター同様、計量法で定められた有効期限内の検定合格メーターを使用しなければなりません。
水道メーターは計量法に定められた8年の有効期限を遵守し、適切な使用が重要です。 三興バルブ継手では、アズビル金門製計器をはじめ、メーター機器を広く扱っています。水道メーターの選定などでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
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