配管ジャーナルPiping Journal

改めて聞きたい配管基礎知識

浴室換気扇の適切な交換タイミングと交換時に注意すべき種類の違い

換気扇は、建物内の空気の入れ替えを行う重要な設備です。

日々の生活の中で使用頻度の高い換気扇は、知らないうちに老朽化が進み、耐用年数に達する前に交換しなければならない場合もあります。しかし、交換のタイミングや換気扇の種類について、よくわからないという人も少なくありません。特に浴室換気扇は、換気以外に乾燥や暖房などの機能がついた製品もあります。

そこでこの記事では、浴室換気扇の役割や種類について紹介します。浴室換気扇の交換依頼を受けた施工担当者の参考になる情報をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

浴室換気扇の役割

浴室換気扇は浴室の空気を入れ替える空調設備です。この項目では、浴室換気扇の役割を紹介します

カビの防止

浴室換気扇により浴室内の水滴を早く取り除く事で、カビの発生を防ぎます。

入浴後の浴室には水滴や多量の湿気が留まりがちです。換気を行わなければカビが発生する原因になります。カビの発生により胞子が空気中を漂い、それを吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や感染症など、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。浴室換気扇を作動させて浴室内の換気を行うことで、これらの対策になります。

浴室内の臭いの防止

換気扇を回し続けることで浴室に発生する臭いの防止につながります。

浴室には、カビの臭いのほか、体についた汚れや皮脂、整髪料、ボディ用洗浄剤などが大量に流れ、壁や床、排水口などに付着することで臭いが発生します。閉め切った浴室の場合、臭いがこもりやすいため、換気扇を回して対策をしましょう。

浴室換気扇の種類

浴室換気扇を大きく分けると、シロッコファンとプロペラファンの2種類に分類されます。

この項目では2種類の浴室換気扇について紹介します。

シロッコファン

シロッコファンは、接続したダクト内を経由して空気を排出します。ダクトを経由して室内の空気を送り出すため、天井やキッチンのレンジフードなど、場所を問わず自由に設置できるため、広く一般に普及しています。

シロッコファンは、プロペラファンに比べて換気風量は劣りますが、さまざまな場所に適応できます。近年では吸い込むパワーが大きい(静圧)静音タイプも販売されており、音が気になる方にも対応しています。

プロペラファン

プロペラファンは、名前の通りプロペラを回して換気します。ダクトを経由せず室内の空気を直接外に排気するため、壁に取り付けなければなりません。この点がシロッコファンとの大きな違いです。また、シロッコファンよりも作動時の音は比較的大きいですが、最近では静音タイプも販売されています。

これからの主流は浴室換気暖房乾燥機?

浴室換気暖房乾燥機とは、換気だけでなく浴室の乾燥機能と暖房機能を備えた商品です。

乾燥機能により浴室内を素早く乾燥するだけでなく、衣類を干して乾燥できます。暖房機能があるため、寒い時期には入浴前に浴室を温めることでヒートショックの予防につながります。製品によっては涼風機能のついたタイプもあり、マンションや戸建てなどの新築やリフォームの際に導入するケースが増えています。

浴室換気扇の耐用年数と交換のポイント

浴室換気扇の交換は、耐用年数である8年〜10年を目安に検討すると良いでしょう。

耐用年数を目安として交換すると、故障によって換気扇が使えない状況を回避できます。耐用年数を超えて使用する場合、作動時の異音や換気風量の低下、振動度合いなどに注意しながら使用します。

換気扇の内部は溜まった埃や部品のサビ、ボルトの緩みなどにより、シロッコファンに付着した埃や汚れなどで回転に抵抗を与え、異音あるいは、モーターに負荷が掛かり損傷することがあります。その場合は、空調設備のプロに相談し適切な浴室換気扇に交換しましょう。

浴室換気扇風量選定の目安となる風量を求める計算式は次の通りです。

浴室内の床面積(m2)天井高(m)×15〜20回/h=m3/h

適切な浴室換気扇を選択しよう

浴室換気扇には、どこにでも設置できるシロッコファン、換気風量の大きいプロペラファン、多機能な浴室暖房乾燥機があります。毎日使用する換気扇だからこそ、それぞれの生活に合った商品を選ぶことが重要です。交換は耐用年数を目安に計画的に行うと急な故障によるトラブルを避けられますので、早めに交換を検討しましょう。

三興バルブ継手株式会社では、浴室換気扇などの空調設備も多数取り扱っています。豊富な知識と経験により適切な商品を選定できます。浴室乾燥機をお探しの担当者様はぜひご相談ください。

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