配管ジャーナルPiping Journal

改めて聞きたい配管基礎知識

液状シール材【ヘルメチック】の使用方法

今回は、こちらも人によってばらつきがあるヘルメの使用方法についてご案内させていただきます。
こちらはメーカーの山王工業株式会社様の使用方法からご案内させていただきます。
ヘルメは前処理から通水に至るまで、知らなかった注意事項が多々あると思いますので、この機会に是非読んでみてください!

1.前処理

  1. 液状シール材は、【基材(樹脂等)】【充填補強剤(粉体)】【溶剤】【顔料】の混合した製品です。 従って、使用前は十分撹拌して、製品を均一状態にしてください。 無溶剤型(チューブ入)は、先端に付着した硬化物を取り除いてから、ご使用ください。 撹拌方法としては、【筆・ヘラ】等でかき混ぜたり、製品を持ちシェイクするなどの方法がありますが、キャップからのふきこぼれ等には十分注意してください。
  2. ネジ山に【切り粉】【ネジ切油】【ほこり】等が付着したまま塗布すると、シール効果が発揮されず、塗りむらができ【漏水】【臭気】【毒性】【管内流出】【錆発生】の原因になります。 特に【油分】が残っていますと、漏水・臭気・毒性・管内流出等に影響する場合があります。 ネジ山の【切り粉】【ネジ切油】【ほこり】等は、完全に除去してください。 除去方法としては、ウエス等でふきとったり、セメント等をかけウエスでふきとったりする方法がありますが、完全に除去する事はできません。 油分洗浄剤【弊社製品:ネジクリーン】を使用し、ワイヤーブラシ等でネジ山をみがく事によって、ほぼ完全に除去する事ができます。

2.塗布

液状シール材は、管端面からネジ山全体に塗布し、ネジ山の凹凸部分には塗りむらが出来ないように丁寧に塗布してください。
(先端3山の過剰塗布には、十分気をつけてください)
筆に適量をのせ、作業してください。のせすぎは、回りを汚しますので気をつけてください。
外にはみ出た液状シール剤は、ウエス等で拭き取ってください。
塗布量については、下記表【水道用シール剤標準塗布量】を御参照ください。
塗布量が少量の場合は、塗りむらとなり【耐圧性(漏水)】【防錆効果】などに影響があり、逆に大量の場合は、管内にダレが生じ、通水・通圧によってフィルター等に異物として流水される場合があります。
又、乾燥時間にも影響があり、通常の乾燥時間では乾燥しない場合がでてきます。
その場合は、通水・通圧により、完全乾燥しなくなる場合がありますので、十分気をつけてください。洗浄剤【弊社製品:ネジクリーン】を使用し、ワイヤーブラシ等でネジ山をみがく事によって、ほぼ完全に除去する事ができます。

参考:日本水道協会による『水道用シール剤標準塗布量』
呼び径15A20A25A32A40A50A65A80A100A
ねじ部0.5g0.7g1.0g1.2g1.5g2.0g2.6g2.9g4.5g
端面部0.2g0.3g0.4g0.5g0.6g0.8g1.1g1.3g1.6g
  • 注意 1. 65mm以上の場合は、必要に応じて先端3山以後を指触乾燥後2度塗りしてください。
  • 注意 2. 冬場や湿度の高い時は、接合後管内へ通風するか、管の両端を開放してください。
  • 注意 3. 寒冷地での塗布は、液状シール剤の温度を常温にしてから行ってください。(直火禁止)

指触乾燥とは、塗布後、指で触れても指に付着しない状態の事です。(目安時間として、上水道用は3~6分程、一般用は8~10分程です)

3.締付

ネジ山に塗布した液状シール材の溶剤の発散を待ち、手で固くなるまでねじ込み後、必ず使用呼び径に適したパイプレンチを使用して、規定トルクでねじ込み作業を行ってください。(下記に標準締付トルク値掲載)

参考:日本水道協による『標準締付トルク値』
呼び径15A20A25A32A40A50A65A80A100A
N・m4060100120150200250300400
kgf・m4.16.110.212.215.320.425.530.640.8

4.通水(補修)

配管施工が全て終了し、通水・通圧する際には、必ず所要の乾燥を十分に確認してから行ってください。
(完全乾燥していない状態での通水・通圧は【漏水】【臭気】【毒性】等の事故の原因になる事もあります)
※バイブレンチのキズなどの補修は、通水テスト(完全乾燥)後に行ってください。

いかがだったでしょうか??
私たちも知らなかった数々の注意すべき点があったかと思います!
また分かっていても面倒になり、疎かになってしまうこともあるかと思いますが、品質問題が叫ばれる昨今。今もう一度、見つめ直していきましょう!

配管資材専門店VALVIA(バルビア)