給湯器のお湯が出ない原因は3パターン!対処法を徹底解説
お客様の給湯器からお湯が出ないという状況になった場合、迅速に原因を突き止めて対処法を考える必要があります。 この記事では、給湯器のお湯が出ない原因とその対処法・給湯器一覧について解説しています。
給湯器のお湯が出ない原因・対処法一覧
給湯器のお湯が出ない原因は複数あり、それぞれ対処法が異なります。この章では、給湯器のお湯が出ない原因と対処法を3つ解説します。
1.蛇口から出ない
お湯が出ない原因として真っ先に考えられるのは、蛇口から水やお湯が出ないという状況です。ここでは、お湯も水も出ない、一部の蛇口でお湯が出ない、すべての蛇口から水は出るがお湯は出ない場合について解説します。
お湯も水も出ない
お湯も水も出ない場合に考えられるのは、以下の3つです。
【お湯・水共に出ない場合に考えられる原因一覧】
・水道が断水している
・水道管の凍結
・水道の元栓が閉められている
断水が起きているか、自治体や厚生労働省に断水の有無を確認してください。水道管が凍結している場合、気温が上昇する昼どきまで待ちます。頻繁に凍結するようなら、保温のため、布や気泡管などを巻き付けてテープで固定する処置をします。水道管の元栓を調べて閉じている場合は、元栓を開ければ解決します。
一部の場所だけお湯が出ない
キッチンや洗面所ではお湯が出るのに風呂だけお湯が出ない、というような一部の場所だけお湯が出ない場合、温度設定や蛇口の故障が考えられます。 その場合には蛇口を交換する必要があります。給湯器の温度設定が適切な温度になっていることを確認し、お湯が出るかどうかチェックしてください。お湯が出ない場合は蛇口(水栓)が故障している可能性があります。その場合、蛇口の故障は蛇口自体を取り替える必要があります。
全ての蛇口でお湯が出ない
全ての蛇口(水栓)から水は出るもののお湯が出ない場合、給湯器自体に問題がある可能性が高いです。 考えるケースとして以下の2点があります。
- 水抜き栓(フィルター付き)が詰まる
- ガス供給の遮断
水抜き栓のフィルターが詰まっている場合は、栓に組み込んでいるフィルター(ストレーナー)にゴミがたまっていないかを確認します。ゴミが溜まっている場合は取り除きましょう。
2.ガスコンロも使えない
ガスコンロも使えない場合、ガスの元栓が開いていない、ガスメーターの遮断、プロパンガスのガス残量の減少の3つが原因として考えられます。
1.ガスの元栓が開いていない
ガスを使う給湯器の場合、元栓が開いてないとお湯は出ません。ガス栓は、都市ガスを使用している場合、給湯器のガス管側、ガスメーター周辺にあります。プロパンガスを利用の場合には、給湯器のガス管側・ガスメーター周辺・ガスボンベ周辺にあります。 マンションやアパートなどの入居時にお湯が出ない場合は、給湯器の故障を疑うよりも先に給湯器のガス配管側にある元栓を確認すべきです。
2.ガスメーターの遮断
最近のガスメーターは、震度5以上の地震が発生した場合や、ガス漏れ、長時間に渡るガスの使用などがあると、ガスの供給を遮断する機能があります。
この場合、復旧作業としてガスメーターを操作し、遮断を解除します。ガスが遮断された場合、メーターに以下のような表示がされるので、それぞれの表示内容と原因、対処法について参考にしてください。
●通常のガスメーターの遮断時の表示
通常のガスメーターが遮断された場合は、ガスメーターのモニターに以下の表のような表示がされ、それぞれ遮断された原因が表示されます。 以下の表はプロパンガスメーターが遮断された際の表示例です。
表示内容 | 原因 |
「A」「C」 ガス止 | 使用時間遮断:長時間のガス利用、コンロの消し忘れ、お湯の出しっぱなしなど |
「B」「C」 ガス止 | 感震器作動遮断:震度5相当以上の揺れを感知、猛烈な突風、強烈な衝撃など ガス警報器作動遮断:ガス警報器が連動され、かつ、ガス漏れ等により警報器が作動した場合 センター緊急遮断:ガス会社のセンターと連動されている場合、料金未納等による遮断 |
「A」 ガス止 | 電池電圧低下遮断:メーターに内蔵されている電池の消耗 |
「B」「C」 ガス止P | 圧力低下遮断:ガスボンベ内のガス残量低下などによる圧力の異常な低下、メーター故障など |
「C」ガス止 | 合計・増加流量遮断:ガス栓の誤作動やゴムホースの抜け、また異常なガスの消費があった場合、合計流量オーバーとしてガスを遮断する |
■遮断の復旧方法
プロパンガスメーターに「ABC」等の表示が出ている場合、ガス栓を閉め、ガス供給会社に連絡をします。
●都市ガスメーター ランプ付きガスメーターの遮断時の表示
ガスメーターが自動遮断した場合、メーター上部の赤ランプが点滅(警報表示)し、点滅パターンや点滅間隔で遮断理由を知らせます。
■ガスメーターによるガス遮断時の警告ランプ点滅例一覧
点滅内容 | 原因 |
4.8秒間隔2回ずつランプが点滅 | 継続使用時間オーバー遮断:長時間ガスが流れ続けた、ガス機器の消し忘れ |
4.8秒間隔ランプが点滅 | 感震遮断:震度5強相当以上の地震を感知し、かつガス使用中の場合、メーターに異常な衝撃 圧力低下遮断:マイコンメーターの上流側ガス供給圧力が0.3Kpa以下を検知し、かつガス使用中の場合 |
■復旧方法
都市ガスメーターに赤ランプが点滅していてガスを使用できない場合、ガス栓を閉め、ガス供給会社に連絡します。
3.プロパンガスガスの残量が少ない
プロパンガスを使用している場合、ガスボンベに貯蔵されているガスの残量が少ないと、ガスボンベの交換時期よりも前にガス切れを起こして途中失火し、お湯が出なくなることがあります。 プロパンガスが切れた時には、使用途中にお湯から水に変わるのが特徴です。また、プロパンガスの残量が少なくなると、ボンベの底に溜まった匂いがガスと一緒に出てくることがあるため、いつもよりも強くガスの臭いを感じることがあります。 プロパンガスの残量は目視できないため、ガス会社に確認を依頼します。もし、プロパンガスが切れているようなことがあれば、すぐに交換してもらいましょう。
3.電気系統のトラブル
蛇口・ガスメーターには問題ないのにお湯が出ない場合には、リモコンや給湯器本体・ブレーカー等の電気系統で問題が発生している可能性があります。確認すべき箇所は、ブレーカー、給湯器の電源プラグ、給湯機のリモコンの電源の3つです。 この章では、電気系統のトラブルの原因と対処法について解説します。
1.ブレーカー
ガス給湯器のアンペアブレーカーや給湯器内部のブレーカーが落ちていないか確認してください。ガス給湯器を動かすには電力が必要なためです。分電盤を確認しブレーカーが落ちていれば、ブレーカーを「入」にしてください。分電盤は建物の中に設置されており、1箇所のこともあれば複数設置されている場合もあります。 ブレーカーが落ちる原因は、落雷や過電流、漏電などがあります。給湯器のブレーカーが頻繁に落ちるなら、給湯器メーカーに確認してください。
2.給湯器本体の電源プラグ
給湯器自体の電源プラグがコンセントから外れていることも考えられます。給湯器は普段は全く気にしないところに設置してあり、常時確認するのは難しいものです。トラブルの際には、電源プラグがコンセントに差し込まれているか確認してください。 抜け止め型のコンセントの場合は、プラグを差し込んだあと、抜け留めを防止する方向へプラグを回転しロックすると、電源プラグの抜けを防止できます。
3.給湯器のリモコンの電源
リモコンの電源が入っていないと、お湯は出ません。必ず給湯器のリモコンの電源が入っているか確認しましょう。 停電や節電の設定があるリモコンの場合、電源が一度切れると設定がリセットされてしまうものがあります。また、電気配線やリモコンや給湯器内部の基板が故障している可能性もあります。
エラーコードが出ていないか確認を
リモコンにエラーコードが出ていないか確認してください。エラーコードとは、リモコンに表示される2桁または3桁の数字のこと。代表的なエラーコードと対処法は以下の通りです。
エラーコード | エラー内容 | 対処法 |
011 | 給湯燃焼のタイムオーバー | 電源を入れ直す |
111 | 給湯の点火不良 | 電源を入れ直す・ガス(灯油)供給の確認 |
140 | 過熱防止装置作動 | 修理・交換 |
参照:ノーリツエラーコード表
↓ノーリツのエラーコード一覧は最下部からダウンロードできます↓
エラーコードが出た際、電源を入れ直しても改善されない場合は、修理か給湯器自体の交換が必要です。
修理しても直らない場合は給湯器の交換を検討
ここまで解説してきた給湯器の原因や対処法のどれを試しても直らない場合、給湯器自体の交換を検討する必要があります。
給湯器の交換目安は10年
給湯器の交換目安時期は10年です。給湯器から変な音が出ていたり、水漏れ、臭いなどが発生していたりする場合は、給湯器の交換時期のサインです。給湯器の異常が起きている場合は10年経過していなくても、交換を検討すべきです。 購入して1〜2年であれば修理対応がおすすめです。商品によりますが、1〜2年のメーカー保証がついているため、修理費用の負担が少なく済む可能性があるからです。 10年近く使用されている場合には、修理代が高額になる場合が多いです。交換する部品によっては新品の給湯器と同じくらいの修理代になってしまうこともあります。たとえ修理できたとしても、耐用年数を迎えた他の部品が故障する可能性があります。 最新のガス給湯器は省エネ効率が高くなっており、ガス代の削減も期待できます。依頼主と相談し、修理か交換か、先を見越して検討すべきです。
給湯器交換時のサイズの選び方
給湯器にはサイズがあり、家族構成によってその性能が変わります。性能は「〇〇(数字)号」で表され、号数は「水温を25度させたお湯を、1分間でどれだけ作れるか」を基準に定義されます。
具体的には、15度の水温を40度に上げながら1分間でお湯を16リットル作り出せるなら、その給湯器は「16号」です。 号数が大きいほど給湯能力が高く、家族人数が多ければ多いほど号数は高い方がよいです。
●号数と家族構成の目安
給湯器の号数と目安の家族構成は以下の通りです。
・16号:1人暮らし
・20号:2人暮らし
・24号:4人暮らし
まとめ
給湯器のお湯が出ない場合、様々な原因が考えられるため、よく分析して対処法を実践してください。ただ、対処法を全て試したとしても経年劣化をしていて、そもそも交換が必要な可能性があります。その場合は家族構成に沿って給湯能力を示す「号数」から給湯器を選定し、依頼主に提案するのがおすすめです。
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