給湯器の交換は使用期間内に!費用と選定方法も要チェック
給湯器は、風呂や台所・洗面所などでの湯沸かしで必要不可欠な設備です。通年使用するものですが、給湯器の交換の依頼は、お湯の使用量が増える秋から増加する傾向があります。給湯器の交換の理由は急なトラブルや故障など様々ですが、使用期間外などで交換が必要な場合もあります。
この記事では、給湯器の交換の必要性や給湯器の選定のポイントなど、交換工事の際に必要な情報を詳しく説明しています。
給湯器交換の必要性
給湯器は、標準使用期間という使用上の安全性を考慮した使用基準で設計されており、設計標準使用期間と呼びます。設計標準使用期間を超えた場合は、経年劣化により事故が発生する恐れがあり、点検か交換の必要があります。
また、給湯器の故障が発生した場合には、使用上の安全のために給湯器の点検および交換を考えます。
給湯器の交換理由
給湯器の交換理由のひとつは、給湯器の異常(湯がぬるい、異音がする、追い焚きができない等)です。使用中に異常を感じた場合は、まず点検が必要です。
故障かどうかを判断をする際には、給湯器にエラーコードの表示が出ているか、あるいはリモコンにエラー表示が出ているかを確認します。エラー表示がなく、電源や燃料・給水不足でない場合は、給湯器本体の故障が想定され、交換の必要があります。
↓ノーリツのエラーコード一覧は最下部からダウンロードできます↓
給湯器の標準使用期間とは
ガス・石油機器には、安全で支障なく使用できるよう標準使用期間が定められています。標準使用期間は給湯器の耐久年数でもあり、標準使用期間は家庭用と業務用に分けられています。標準使用期間は、家庭用の場合10年、業務用の場合3年です。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
●家庭用機器の標準使用期間
使用頻度や環境によって変わりますが、標準的な使用をした場合の給湯器の設計上の標準使用期間は、製造から10年となっています。メーカーによっては、給湯器に、標準使用期間が迫った場合に点検を知らせる機能が搭載されている機種もあります。
●業務用機器の標準使用期間
業務用給湯器の標準使用期間は製造から3年です。業務用給湯器は、使用される環境によって給湯器自体の大きさや機能、使用頻度などが異なるため、標準使用期間は家庭用よりも短くなります。交換の目安は、給湯器の燃焼時間が10,000時間に達したときです。
ガス給湯器や石油給湯器を安全に使用するには、使用環境に即した標準使用期間を守って使用することを推奨します。使用期間を過ぎた給湯器は、点検もしくは交換すべきです。
給湯器交換の費用
給湯器交換を行う場合、交換工事にかかる費用は、交換する商品や現場の環境によっても違いがあります。ノーリツ製品の場合、一般的な家庭用給湯器の取り換え工事代の目安は以下の通りです。
・追い焚き付き給湯器(GT・GTC)はお施主様価格 6万~7.5万
・給湯専用器(GQ・GQC)はお客様価格 3.5万~5万
故障の場合、故障箇所によりますが、給湯器の基盤の故障などでは部品代が5万円ほど、さらに工費や出張費が別途かかります。
経年劣化による故障の場合、1カ所を修理しても、その後また他の箇所が故障するケースも少なくありません。何カ所も修理をしていくうちに費用がかさんでしまうため、新しい給湯器に交換した方が安く抑えられる場合もあります。
給湯器の種類
給湯器にはガス給湯器、石油給湯器、電気給湯器、エコキュートの主に4種があります。ガス給湯器は瞬間式、エコキュートは貯湯式、石油給湯器と電気給湯器はそれぞれ貯湯式と瞬間式があります。ここでは、普及率の高いガス給湯器と石油給湯器、ガスと電気給湯器を組み合わせたハイブリッド給湯器を取り上げます。
ガス給湯器の特徴
ガス給湯器は、台所や浴室などのお湯を作り出すために屋外に設置されることの多い給湯器です。戸建てのほかマンションのような集合住宅の給湯器に採用されることも多く、普及率の高い給湯器のひとつです。
ガス給湯器の仕組みは、水を流したパイプをバーナーで加熱し、そこを通過する水の温度を上げお湯にします。バーナーの火力の温度調整ができ、ガスの量(火力)と水の量をコントロールします。コントロールパネルで温度設定すると、自動的にその温度に調整します。
石油給湯器の特徴
石油給湯器は、寒冷地や郡部を中心に普及している給湯器のひとつです。強力な給湯が可能で、ガス給湯器と比べるとランニングコストが低いという特徴があります。
石油給湯器は燃料となる灯油をタンクに貯めておき、その灯油を燃やし、配管内を流れる水を加熱してお湯に変えます。主に家庭で使用されている12L~15Lタンクを持った貯湯式と、直圧式があります。直圧式は1℃単位での細やかな湯温調整が可能です。水道圧をそのまま利用するため、高圧を保ったままシャワーなどの利用もできます。
ハイブリッド給湯器の特徴
ハイブリッド給湯器は、ガスと電気給湯器を用途によって熱源を変えて利用できる給湯器です。例えば、少量の給湯の場合はガスを、風呂の湯沸かしなど大容量の湯量が必要な場合は電気などのように、湯沸かしに使用する熱源の切り替えができます。
少ない熱量(エネルギー)で効果的に湯が沸かせるため、うまく使い分けられるとコストも削減でき、省資源にもつながります。導入に助成金の支給をしている自治体もあります。
給湯器の選定のポイント
給湯器の種類によって、選定のポイントがあります。この項目では、選定のポイントについて解説します。
ガス給湯器の選び方
選定のポイントのひとつが、どのようなタイプが最適かという点です。ガス給湯器には、給湯専用、風呂釜付き給湯器、暖房付き給湯器とさまざまなタイプがあります。
ガス風呂給湯器には、全自動タイプ(フルオート)と自動タイプ(オート)の2種類があります。いずれも自動湯はりや自動追い焚き、自動保温などの機能が付いていますが、自動タイプ(オート)は足し湯や自動沸き上げ、自動配管洗浄機能がありません。 ガス給湯器を選ぶ際は、家族構成の確認も大切です。
ガス給湯器の給湯能力は「号数」の数値で表します。1号とは、水温から25℃上昇させたお湯を、1分間に1リットル作れる能力を指します。 号数が大きい給湯器ほどたくさんのお湯を使うことができるので、家族が多い家庭では同時使用を考慮して、号数が大きい大能力のものを選ぶといいでしょう。
なお、市水道の場合は水温が季節によって異なるので、一番低い冬の時期に必要なお湯が出る給湯器を選定します。
石油給湯器の選び方
石油給湯器には、全自動タイプ(フルオート)と自動タイプ(オート)、標準、給湯専用の4種類があります。お湯張りから追い焚き、保温、足し湯が可能なフルオートから、お湯を作る機能だけの給湯専用まであり、用途に応じて選択します。
石油給湯器の場合もガスと同様、家族構成や必要な湯量を確認しておきます。石油の場合は給湯能力は「KW」で区別されます。ガス給湯器の「号数」に換算すると、46.5kWの場合はガスの27号、44.2kWはガス25号、36.0kWはガス21号に相当します。
例えば、3カ所同時にお湯を使用することがあれば、46.5KWを選ぶとよいでしょう。寒冷地の場合は水温がとても低いため、給湯能力が少し高いものを選ぶのがおすすめです。
ノーリツ給湯器の特徴
人気の高いノーリツ製の主な給湯器を紹介します。
ガス給湯器ラインナップ
・ガスふろ給湯器(GT(-C)、GRQ(-C))
給湯器と風呂釜が一体となった給湯器です。ボタンひとつでお風呂湯沸かしができ、自動保温や足し湯機能が搭載されています。これまで捨てていた排熱を利用してお湯を作ることによりランニングコストを節約でき、環境にもやさしい給湯器「エコジョーズ」もあります。
・ガス温水暖房付ふろ給湯器(GTH、GTH-C)
給湯、お風呂沸かし、追い焚き機能、温水暖房の一台四役を担います。給湯だけではなく、床暖房への温水配熱機能も備え、家中の暖房をまかなうことができます。
・ガス給湯器(GQ)
キッチン・洗面・シャワーなどへの給湯と、お風呂沸かしが可能です。機能がシンプルなので、ビル・戸建てのほか、アパートやマンションなどさまざまな施設で利用され、普及性が高い給湯器です。
スイッチひとつで日々の水道代やガス代を節約できる「エコスイッチ」機能や、スマートフォンやスマートスピーカーでアプリを利用した遠隔操作ができる給湯器もあります。
石油給湯器ラインナップ
・石油温水暖房付ふろ給湯機(OTH)
スイッチひとつでフルオートでお風呂にお湯をためられ、直圧式のパワフルな水圧でシャワーを浴びられる給湯機です。追い焚き、給湯機能も同時に行え、さらに暖房機能も付いているフル機能が特徴です。
・石油ふろ給湯機(OTQ・OTX)
家中に給湯する石油給湯機と、お風呂のお湯を沸かせる石油風呂釜がひとつになっています。台所・洗面・シャワーはもちろん、お風呂のお湯の追い焚きも可能です。
・石油給湯機(OQB・OX)
シャワー、台所、洗面と1台で家中の給湯をまかなえる給湯機です。浴槽へは給湯栓からお湯をためます。
熱効率を95%にまで引き上げ、CO2排出量を大幅に削減し、使用する灯油を節約できる「エコフィール」や、アプリを利用し遠隔操作できる石油給湯機もあります。
ハイブリッド給湯器
ハイブリッド給湯システム「ユコアHYBRID」は、ガスと電気を効率よく利用し、年間給湯・保温光熱費を大幅に削減できることが特徴です。太陽光発電との併用もでき、スマート制御によって最も効率のよいタイミングと湯量でお湯を作ることも可能です。
まとめ:交換は給湯器の使用期間を厳守。使用湯量も要確認
給湯器は故障だけでなく、標準使用期間外の場合も交換が必要な場合があります。標準使用期間は設計上定められたものであり、使用上の安全のため、標準使用期間を過ぎる前に点検・交換をします。
また、給湯器の選定には事前の家族構成や使用湯量を確認しておくことが重要です。機器は給湯器独自の「号数」あるいは「KW」に沿って選定しましょう。
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