絶縁ワッシャーの使い方とは?目的と用途・効果について解説
ボルトやナットと一緒に使うワッシャーには、金属製のワッシャーと絶縁体で作られている絶縁ワッシャーがあります。 この記事では、ワッシャーの用途、絶縁ワッシャーを使う理由、配管工事で絶縁ワッシャーを使用するメリットと注意事項について解説します。
ワッシャーとは座金のこと
ワッシャーは座金とも呼ばれます。ボルトを締めた時、ボルトの頭やナットが接着面に直接触れないよう、ボルトの頭やナットの下に挟み込んで使用します。
ワッシャーを使用する目的は大きく2つあります。1つは、ボルト頭部が小さい場合に接触面積を広げて面圧を下げること。もう1つはボルトを回転させたとき相手側につく傷を防止するためです。ワッシャーを使うと、座面の陥没やゆるみのリスクを低減できます。
ワッシャーの形で最も代表的なのは、CDやDVDのような円盤形の平ワッシャーです。ほかに、四角ワッシャーやスプリングワッシャーなどさまざまなタイプがあります。
絶縁ワッシャーとは絶縁体でできているワッシャー
絶縁ワッシャーは、絶縁体で作られたワッシャーのこと。絶縁体とは、電気抵抗が大きく、電気を通しにくい物質を指し、ガラスエポキシ樹脂やマイカといった樹脂で絶縁ワッシャーは作られています。
また絶縁材は配管設備業界だけでなく、幅広く他の業界でも使用されている資材です。
絶縁ワッシャーの使用効果
絶縁ワッシャーを使う一番の目的は、電蝕を防ぐことです。 電気が流れやすい流体や環境で2つの異なる金属が接触すると、電位差の大きさに比例して電位の低い金属の陽イオン化が促進されて電気が生まれ、腐食してしまいます。 配管工事では、ステンレスと鋳造品・どぶメッキ品などとの異種金属接合する際に腐食が起こりやすいといわれています。このような場合に絶縁ワッシャーを使用すれば、ボルト本体と相手側の2つの金属が接触せず絶縁されるため、腐食を防げます。
絶縁ワッシャーの選び方
一緒に使用するボルトのサイズ(M寸法、首下長さ)を確認し、サイズに合ったものを選びます。
絶縁ワッシャー使用時の注意
絶縁ワッシャーを使用する際には、金属ワッシャーと併用します。単体での使用は絶縁ワッシャーの破損や片締めの原因になるからです。
管工事の際は、フランジ接合で多く使用されボルトナット部の絶縁ワッシャ、絶縁スリーブ、フランジ面の絶縁パッキンと併用して施工されます。購入時には、どこまで絶縁処理を行うか確認して選定してください。
絶縁に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。
●配管工事での絶縁方法とガルバニック腐食についてわかりやすく解説
●ステンレス鋼鋼管で使用する絶縁ユニオンについて詳しく解説
●知っておくべき!ステンレス配管での絶縁フランジ
●ステンレス鋼鋼管と異種金属を接続する際に使用する絶縁継手の種類
まとめ:異種金属の配管は適切な絶縁処理を
異種金属通しの接触は電蝕を起こし腐食の原因となります。今回ご紹介した絶縁ワッシャーだけでなく、絶縁スリーブや絶縁パッキンなども併用し適切な処理をおこなっていきましょう。また、どういう配管であれば電蝕が生じるのか?など正しい知識を得ることも必要になってきます。
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