配管ジャーナルPiping Journal

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洗濯パンの取り付け方法とは?おすすめの洗濯パンも紹介

洗濯パン 設置

洗濯パンを取り付ける方法を知るには、まず洗濯パンの役割や選び方を理解することが重要です。ここでは洗濯パンの役割、選び方を押さえたうえで、施工方法について解説します。また株式会社カクダイ社製の洗濯パンの中から人気の洗濯パンを紹介します。

洗濯機周りの水漏れの原因

この項目では、洗濯機周りにおける漏水の原因について解説します。

洗濯機自体が原因の漏水

洗濯機自体が原因となる漏水は主に3つあります。1つは洗濯機の故障や老朽化の影響による水漏れです。2つ目は洗濯槽からの水漏れ、そして3つ目は湿度などが原因で洗濯機の外面に発生した結露の水が垂れるというものです。

水栓が原因の漏水

水栓が原因となる漏水は主に2つあります。1つ目は、水栓自体の老朽化による水漏れです。2つ目は、水栓から出た水を洗濯機本体まで運ぶ給水ホースの老朽化です。

排水口が原因の漏水

排水口が原因となる漏水の原因は、主に3つあります。

  • 排水ホースの亀裂や劣化、接続不良
  • 洗濯カスやヘドロ等による詰まり
  • 排水エルボの接続不良

3つ目の排水エルボの接続不良は、排水ホースと排水口を接続するL字型のパーツである排水エルボに排水ホースがきちんと差し込まれていない場合や、排水エルボと排水ホースのサイズが合っておらず、隙間がある場合が考えられます。このような場合に水漏れが起こる可能性があります。

洗濯パンの役割

洗濯パンには、床への漏水を防ぐ役割と振動や音の軽減の役割があります。洗濯パンは「防水パン」とも呼ばれるように、特に床への漏水リスクを抑える役割が大きいと言えます。前述の通り、洗濯機周りの水漏れの原因には、洗濯機、水栓、排水口の3カ所あります。漏水リスクを軽減するために、洗濯パンが果たす役割は大きいと言えるでしょう。

洗濯パンの選び方

洗濯パンの役割である漏水リスクを軽減するにはどのような洗濯パンを選べばいいのでしょうか。ここでは洗濯パンを選ぶために必要な知識として、洗濯パンの種類、サイズ、排水口の位置について説明します。

洗濯パンの種類

洗濯パンは大きく次の3タイプに分けられます。

  • フラットタイプ
  • かさ上げタイプ(枠より四隅が低いタイプ)
  • かさ上げタイプ(枠より四隅が高いタイプ)

フラットタイプは、洗濯パンの周りに枠があり、枠の中が平らなプレートのような形状をしています。

かさ上げタイプは、洗濯機の調節脚を乗せる四隅が高くなっている形状をしています。かさ上げタイプには2種類あり、1つは枠より四隅が低いタイプ、もう1つは四隅が枠より高くなっているタイプです。

かさ上げタイプは四隅が高いため、フラットタイプと比べて掃除がしやすいのが特徴です。特に四隅が枠より高いタイプは、洗濯機と洗濯パンの間にできる隙間が3タイプの中で最も大きく、洗濯機下の掃除がしやすいです。

洗濯パンに汚れが溜まると排水がスムーズにいかずに水が溢れる原因になります。排水口の手入れのしやすさを重視する場合は、四隅が枠より高いかさ上げタイプを選択するといいでしょう。

洗濯パンのサイズ

洗濯パンの標準サイズは主に3種類あります。

  • 640mm×640mm
  • 640mm×740mm
  • 640mm×800mm

奥行きが640mm、幅が640mm、740mm、800mmの3種類が主流です。一般的に640mm×640mmの正方形が標準型で、740mm×640mmまたは×800mm×640mmの長方形がドラム式洗濯機対応となっています。洗濯パンのサイズは、洗濯機のサイズに合わせて選びます。また、洗濯パンを取り付ける場所に合ったサイズであることも確認します。

水栓の位置

洗濯パンを選ぶ際には、水栓の位置を考慮し、高さにも注意します。かさ上げタイプの洗濯パンを選ぶ場合は、洗濯パンによってかさ上げされる分、洗濯機の位置が高くなるため、水栓の位置と合わなくなってしまう場合があります。

また、洗濯機の高さが水栓の位置より高くなると、洗濯機が設置できなくなる可能性や、洗濯機のふたが水栓に当たって洗濯できないことも考えられます。 水栓と洗濯機の高さが合わない場合、水栓と洗濯機の間に隙間を作るか、水栓の取り付け位置を変更する部品を使用し水栓の位置を高くします。

その際には、水栓と洗濯機の間に十分なスペースがあるか、確認します。また、水栓の位置を高くする対応についてお客様の同意を得る必要があります。

排水口の位置

洗濯パンのトラップの位置は、前方、左右の端、真ん中の3種類あります。洗濯パンを選ぶ際には、床下にある排水口の位置を確認し、洗濯パンの排水トラップと排水口の位置が合う洗濯パンを選びます。

リフォームなどによって床下に排水トラップが設置できない場所では、近くの排水管に合流させ、床上で配管施工することができます。この場合、排水トラップが隠れる床上配管型対応の洗濯パンが好ましいでしょう。

洗濯パンの取り付け方

洗濯パンの取り付け方について解説します。

洗濯パン、排水トラップ、排水管をつなぐ

まず洗濯パン、排水トラップ、排水管をつなぎます。細かな作業工程は次の通りです。

  1. 洗濯パンの設置場所を正確に位置出しする
  2. 排水トラップの位置を確認する
  3. 排水トラップ用の開口部を設置する
  4. 洗濯パンの設置面が水平か確認する
  5. 設定の位置に排水管を延ばす。排水トラップがタテ引きかヨコ引きかで方法が異なるので注意する
  6. 排水トラップの芯を合わせて高さ調節をし、取付け位置を決める
  7. 排水トラップ本体と配管を仮接合し、芯と高さを確認して接合する
  8. 排水トラップ本体が床と水平になっているか確認する
  9. 洗濯パンに排水トラップを取付け固定する
  10. 洗濯パンの四隅を同梱のビスで固定しビスキャップを被せる
  11. 床面および壁面と洗濯パンの隙間をシール材で埋める

排水トラップの役割は、下水道から漂ってくる悪臭を防ぐことと、ネズミや害虫などの侵入を防ぐことであるため、設置後も手入れがしやすいとよいでしょう。排水トラップの掃除のしやすさを考えると、かさ上げタイプの洗濯パンを選ぶことをおすすめします。

洗濯機を設置し、排水ホースと洗濯パンを排水エルボでつなぐ

洗濯機を設置し、洗濯機についている排水ホースと洗濯パンを排水エルボでつなぎます。床と垂直な排水管と、床と並行な排水ホースを直接繋ぐと、排水ホースが潰れてしまい、スムーズに排水されない可能性があります。そのため、排水エルボを使用します。

排水エルボには2つの接続口があり、洗濯パンと排水ホースとしっかり接続しないと水漏れの原因になります。そのため、細心の注意を払って作業する必要があります。

施工について詳しくは施工説明書でご確認ください。

株式会社カクダイの水栓金具付き洗濯パン

株式会社カクダイ社製で人気の洗濯パン「水栓金具付き・防水パンH120mm」を紹介します。「水栓金具付き・防水パンH120mm」は、水栓を下部に設置できるため壁内の配管接続が不要なこと、漏水リスクを低減できることなど、さまざまな理由で、新築施工時はもちろんリフォームの際にも多く選ばれています。

かさ上げタイプの防水パンのサイズは2種類あります。

  • 幅640mm×奥行640mm×高さ120mm
  • 幅740mm×奥行640mm×高さ120mm

素材にはポリプロピレンを採用しており、耐荷重は200kgです。そのため、大型の洗濯機も設置できます(メーカーによっては設置できない可能性もあります)。

洗濯機と水栓の位置が合わない場合におすすめ

JIS規格に適合している洗濯用水栓を防水パンに設置し、給水・排水のユニット化するため、洗濯機の高さと水栓の位置が合わない場合に必要な水栓の高さを変える給水管の工事や、壁から出ている水栓を高い位置にスライドさせるなどの対応が不要です。

漏水リスクの低減

水栓金具付き・防水パンH120mmの水栓には自動閉止機構がついており、給水ホースが外れた際の水漏れを防げます。洗濯機を設置したまま排水トラップを取り外して掃除できるため、汚れが溜まることで排水がスムーズにいかずに水が溢れだすようなトラブルやリスクを軽減できることがメリットです。

設置する洗濯機、設置場所等の状況を把握し、最適な洗濯パンを取り付けよう

洗濯パンを取り付ける際には、洗濯パンが設置される場所、洗濯機のサイズ、床下の点検口の位置と排水口の位置等をまず把握します。防水パンの役割と洗濯機のサイズと設置場所の状況を元に、お客様のライフスタイルに最適な洗濯パンを選んで取り付けましょう。

三興バルブ継手株式会社では、株式会社カクダイ社製の洗濯パンをはじめ各社主力メーカーの洗濯パンも取り扱っております。またECサイトからご注文もいただけますのでお気軽にご相談ください。(選定や設置についてスタッフによるアドバイスも行えます)

最近では、お客様より送っていただく現場の写真を元に、経験豊富な担当者が資材を選定して納品するご依頼が増えています。現場に合った資材を選べるため、判断が難しい現場はメールやチャットボットにてご依頼ください。

配管資材専門店VALVIA(バルビア)