図面なしの工場を改修する際のポイントや注意点とは?効率的な図面作成について
工場の改修工事の際、正確な図面がないケースは少なくありません。そのため、現地調査をして最新の図面を作成してから工事工程を決定する必要があります。 この記事では、図面を新しく起こす理由や手順、工事を短縮するための効率的な図面制作の方法について解説します。
図面がない・図面と現況が一致しない場合
工場の改修工事をする際、必ず事前に現地調査を行います。竣工以来改修工事を繰り返してきた工場の場合、残っている図面と現況が一致しないということもあり得ます。
現地調査を行う理由
工場の改修を行う前に現地調査を行うのは、改修前の現場の状況を知り、改修箇所や改修にかかる期間など、改修内容を把握するためです。 工場設備の老朽化や増設を伴う改修工事では、改修すべき内容と現場の状況をクライアントと共有するのが工事の工期や進捗に大きく関わってきます。現地調査を行わないで工事を行うと、改修作業のやり直しや改修が必要な箇所が漏れて工事が長期化してしまいます。 効率的に改修工事を進めるために、事前の現地調査は必須なのです。
工場で改修工事を行う手順
実際に工場で改修工事を行う場合、どのような工程で進めるのでしょうか。この章では、工場で改修工事を行う手順について、申請から完了までの一連の流れを紹介します。
申請
工場で改修工事をする場合、関係する役所へ申請や届出が必要です。理由として「工場立地法」などの法律に従い届出を出すように定められているからです。届出を出す基準は工場の敷地面積によって決まります。
【対象となる工場】
- 製造業・電気供給業(水力・地熱発電所・太陽光発電所を除く)
- ガス供給業
- 熱供給業
工場の規模:建物の建築面積3,000㎡以上または敷地面積が9,000㎡以上の工場
【届出の種類】
変更届(生産している製品の種類・敷地面積・建築面積・生産施設面積・緑地および環境施設面積並びに配置を届け出る必要がある)
上記の届出を提出せずに工場の改修を始めると、懲役刑を含む罰則がありますので注意してください。届出の際は、工事開始日から逆算し、いつまでに届け出るかを工場側と検討する必要があります。
ラインの振替計画立案
改修工事が生産に影響を与える場合、稼働時間や休日などの振替作業が必要になる可能性があります。設計・施工側と工場側が綿密な打合せを実施する必要があります。
工場の改修工事は、生産ラインに影響を与える場合があります。工場の稼働を全面的にストップして工事を行うという方法もありますが、生産をストップできない場合もあります。そのような場合に、生産ラインの振替計画を立案します。
また、改修工事に伴い、使用する電力量や排水量、使用水量が許容範囲を越える際は、契約している電力会社や水道局、ガス会社など、ライフラインに関連する機関とも協議を行う必要があります。
改修工事工程の把握・決定
ラインの振替計画を策定したら、実際の改修工事の工程を決定します。事前の現地調査を元に実際の改修工事までのスケジュールを策定し、工場側とすり合わせを行います。
その際、工事期間中は生産活動が制限される期間と工場内のエリアや生産ラインなどを工場側と必ず共有しましょう。その後、操業・工事エリアの区分けを実施します。
操業・工事エリアの区分けを行う
改修工事中は操業しているエリアと工事をしているエリアを区分けして、工事に必要な設備の搬出入の動線を確保します。工場の生産活動への影響を最小限にし、改修工事をスムーズに行うためです。
改修工事を行っている最中でも工場の生産ラインを止めない場合には、どこで区分けをすれば操業も工事もスムーズにいくか、クライアント側と綿密に打合せをすべきです。
改修工事
事前にクライアントと協議し決定した工程に沿って、工事を進めていきます。改修工事の完了後には、最新の図面をクライアントと共有しましょう。
工場の改修工事に必要な図面の作成には3Dスキャナーがおすすめ
工場での改修工事において、現況と一致する正確な図面がない場合現地調査を実施する必要があります。ただ、一つ一つの配管などの設備について調べ採寸するのは、多くの時間と手間がかかります。そのような場合には、3Dレーザースキャナーを利用することがおすすめです。
3Dレーザースキャナーとは
3Dレーザースキャナーとは、採寸する対象にレーザーを照射し、対象物の空間位置情報を取得できる機器です。毎秒数十〜百万点規模のレーザーを出すことによって、照射された建造物の表面を点群として正確に立体的にデータ化できます。 また、スキャナーに内蔵されているデジタルカメラによって撮影された写真の色を元に点群データを着色し、高精度な解析を可能にしています。
3Dレーザースキャナーを利用するメリット
3Dレーザースキャナーを利用するメリットの1つに、省力化があります。3Dレーザースキャナーを使って得た点群データをもとに現場の立体図を正確に再現できるため、現地調査に数日〜1週間程度かかることもありますが、3Dレーザースキャナーを使うと1〜2日程度に短縮でき、現調にかかる日程や工数を削減できます。結果として、トータルコストの削減に繋がります。
3Dスキャナーでよりスピーディに正確な図面作成を実現
改修工事をする場合は、現地調査が必須です。工場によっては、図面が最新でないなど、正確な図面がない可能性があり、その場合には念入りな現地調査を実施します。
現地調査に数日〜1週間程度かかることもありますが、3Dレーザースキャナーを利用すれば採寸にかかる時間を短縮できるうえ、追加で距離情報が必要になったとき、再び現場へ行かなくてもPC上で採寸できます。
トータルコストを削減しながら、よりスピーディに正確な図面作成を行えます。
業界ひとすじのプロ集団である三興バルブ継手株式会社では、「配管設備資材の販売・納品」だけでなく、改修工事現場を中心とした「3Dスキャナによる図面作成」や、「配管加工・ハウジングプレファブ加工」までワンストップでお届けできるサービスを展開しております。幅広い知識を持つ専任の担当者が対応いたしますので、お気軽にお問い合せください。
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