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建築設備の図面とは?図面の種類や設計段階で必要な図面を紹介

建物の建設や改修には、図面の作成が欠かせません。施工時には、建物全体の形態や間取りなどをデザインする意匠図面、柱や梁など建物を建てるために必要な形式を記す構造図面、そして建築の設備に関わる設備図面を作成します。

中でも劣化が生じやすい建築設備は、定期的な改修を行うこともあり、その際には図面を改めて作成しますが、何が必要なのかわからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、建築設備図面の種類や設計段階で必要な図面を紹介します。

建築図面とは

建築図面とは構造物を平面で捉えて示した図面で、設計図とも呼ばれます。建築主の要望を受けた建築士は建物の認識を共通した上で建築図面を作成し、それを基に施工業者が工事を行います。建築図面は、建築主と建築士だけでなく施工業者との認識を統一する重要な資料です。

工業分野における図面作成の基本的事項および総括的な製図体系について規定する「JIS Z 8310 製図総則」では、図面使用者に要求を確実に伝えることや、図面に関する情報が円滑に利用できるよう管理を徹底する旨が記されています。

建築図面の種類

建築図面は大きく分けて3種類あります。

  1. 意匠図面
  2. 構造図面
  3. 設計図面

3種類の図面はさらに細かい種類に分けられ、すべての図面を合わせると22種類です。各図面の種類は以下の図を参考にしてください。

建築図面の種類表

意匠図面

  • 仕上表
  • 展開図
  • 付近見取り図
  • 配置図
  • 求積図、面積図
  • 平面図
  • 断面図
  • 立面図
  • 短計図
  • 屋根伏図
  • 天井伏図
  • 建具表
  • 外構図

構造図面

  • 杭伏図(くいふせず)
  • 基礎伏図
  • 各階伏図
  • 軸組図
  • 小屋伏図

設計図面

  • 電気設備図
  • 空調設備図
  • 給排水衛生設備図
  • ガス設備図

 

22種類もの図面の種類があるのは、建築主をはじめデベロッパーや建築士、施工会社、市役所などの諸官庁、確認検査機関など、関係者にわかりやすく情報を伝えるためです。

4種類の設備図面

設備図面では、電気や空調、給排水、ガスなどの設備の仕様を示します。

  1. 電気設備図
  2. 空調設備図
  3. 給排水設備図
  4. ガス設備図

ここでは、各設備図面の用途や役割をそれぞれ紹介します。

1.電気設備図

建物の電気設備を示す図面で、電気設備のほか配線図とも呼ばれます。平面図に分電盤から各部屋への配線経路、ブレーカーの位置や系統、コンセント、エアコン、換気扇、照明器具、テレビ、電話、通信などの設備の位置を記入します。

電気設備図面は、照明器具やスイッチの位置を線でつなぎ、シンプルに回路を示すのが一般的です。図面上ではコンセントや配線など簡略化した記号を使用します。

最終的には建築主と建築士で打ち合わせし、配線経路やコンセントの位置、数などを詳しく確認します。その際には必要な電気設備を洗い出して登録し、電圧や分電盤の高さなど詳細を決定して、場合によっては展開図も使用します。

2.空調設備図

エアコンや室外機、換気扇などを示すのが空調設備図です。位置や個数だけでなく配管経路や換気能力なども記載する場合があります。

空調設備に関する配管経路や主要な設備機器を図面上に記したあと、配管のサイズや必要な能力などを計算して詳細を図面に記載します。空調設備系統図や空調設備平面図などを使用すれば、実際にどのように空気が流れるのか、配管されるのかを確認できます。

3.給排水設備図

給排水設備図とは、給水設備と排水設備、消火設備を記した図面です。トイレや洗面など各設備の位置や経路だけでなく、蛇口やトラップの位置など給排水に関連する箇所を記載します。

給排水管は壁の中や天井裏などに配管することが多いです。図面に起こす際、給排水に関わる全ての設備への経路に加えて、管の口径や接続箇所などを明確にします。

4.ガス設備図

ガス設備図では、ガスの配管経路や配管の口径、引き込み経路、接続方法など一連の経路を示します。ガス管は、天井や床下、壁内など現場に応じて配管するのが一般的です。道路に埋設されているガス本管から分岐して引き込んだガスは、ガスメーターで受けて屋内へ供給されます。

設計段階別の建築図面

図面は、設計段階に応じて作成します。設計段階の初期から完成までに作成する図面は次の通りです。

  1. 基本設計図
  2. 実施設計図
  3. 施工図
  4. 竣工図

それぞれについて解説します。

1.基本設計図

初期段階に作成する設計図です。建築主が要望した構造や設備などを建築士が図面に起こします。主に建築主への説明や確認のために使用します。建築士は環境や法規制も考慮し、図面を作成します。  

2.実施設計図

実施設計図は、施工会社への発注時に必要な図面です。前項で紹介した意匠図、構造図、設備図は実施設計図に当たります。

3.施工図

実施設計図をより実践的にした図面が施工図です。工事の種類や各工程に携わる作業員や関係者に対し、必要な情報を明確に伝えます。平面詳細図や躯体図、総合図など多数の図面に分けられます。

4.竣工図

竣工した建物を正確に図面に起こしたものが竣工図です。施工図をもとに進行する工事は、建築段階で配管や配線などの変更が生じる場合もあります。そのため、最終的に変更点を反映し、竣工図を作成します。

建築設備の図面の作成は外注がおすすめ

ここまで、建築設備に関連する図面について紹介しました。建物を建築する際、設備図面は実施設計段階に必要です。

給排水、空調、ガスなどの建築設備は使用頻度が多く経年劣化しやすいため、定期的な交換が生じます。施工範囲によっては図面を作成しなければなりませんが、その都度作成するのは手間がかかります。

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