改修工事での施工図の重要性と3Dスキャナーの有効性について解説
建物の改修工事を行う場合に、必要なのは施工図です。施工図とは、工事対象の建築物の見取り図であり、建物全体を把握するために欠かせないものです。
改修工事の進捗は、施工図の正確さによって大きく変わります。この記事では、改修工事の施工図の重要性や正確に施工図を描くためのポイントについて説明します。
施工図の概要
施工図は、新築や改修の際に詳細まで検討し、「これで工事を行う」と決定した図面のことを指します。
施工図と施工図完成前に作られた図面との違いは、施工に必要な情報がすべて記載されているかどうかです。配管経路が検討される前の図面には、パイプシャフトやダクトスペースの位置が記載されていないことがあります。このように、施工図完成以前の図面には施工に必要なすべての情報が記載されてないこともあります。
工期の延長や後工程の工事ができない、予算内で工事ができないといったトラブルが起こる可能性があるため、施工図を必ず用いて工事を進める必要があります。
改修工事の施工図の重要性
改修工事における施工図の重要性をポイントごとに説明します。
改修に必要な寸法が記載されている
施工図は、施工に必要な寸法を網羅する重要な図面です。施工の際に必要な部材などの寸法が全て記載されており、工事対象建物の全体的な資材寸法を把握するのにも役立ちます。
施工ミスの防止
改修工事では、既存の各設備の資材を調達する場合がありますが、使用する図面が施工図ではない場合、詳細が分からず、予想外のトラブルが発生することがあります。
これにより、工事の遅延などを引き起こす可能性があります。 施工図には工事に必要な情報が記載されているため、資材調達の際の重要な資料となります。施工の際の材料違いやサイズ違いといったミスの防止につながります。
施工の無駄や工期遅れをなくす
鉄筋、型枠、コンクリートなど、建物を構成するすべての要素が入った正確な施工図があれば、予定外の変更があっても対応しやすいです。正確な情報に基づいて描かれた施工図がなければ、実際の工事は思うように進みません。
改修箇所に必要な情報がない図面を使用する場合、都度確認が必要となり、手戻りややり直しにつながります。無駄な時間や手間がかかり、工期が遅れる可能性も否めません。
現場の作業従事者間で情報共有化
工事現場では、多くの作業員がそれぞれの担当箇所で作業しますが、全員が同じ施工図で情報共有できれば、ミスや事故を未然に防ぐことにもつながります。仮に使用する資材などを間違えた場合にもその場で気付くことができます。
改修工事では、建築情報だけでなく、壁や天井の表面に見える器具や各設備の情報などすべての情報が盛り込まれた総合図を用いるのが肝心です。
施工図制作の新サービス
改修工事では、現場の状況を正確に把握し、工期をできるだけ短くすることが望まれます。そのため、正確な現地調査が求められます。現地調査で3Dレーザースキャナーを使って点群データを取り、建物の構造を立体的に把握するのは極めて有効です。
古い建物の場合、正確な図面、施工図がない場合も多いですが、途中で改修工事をしていると、元の図面と現況が異なることも少なくありません。例えば、配管などは3Dレーザースキャナーを使って点群データを取得し正確な3Dモデルを作成すれば、既存と新設の整合性を取るのに大いに活用できます。
次の記事は、3Dレーザースキャナーを使用した実例記事です。どのようなきっかけでどのように実行したのかが明確なので、手順などが非常にわかりやすいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
3Dレーザースキャナー活用事例①工場の改修工事に現況の図面が必要な場合
3Dレーザースキャナー活用事例②新設する配管ルートを現況の図面に併記したい
3Dレーザースキャナー活用事例③現況を図面化して今後の改修工事に役立てたい
3Dレーザースキャナーのメリット
3Dレーザースキャナーを使用すると、正確な建物内部のデータ収集ができたり、改修工事が円滑に進んだり、多くのメリットがあります。
作業の効率化と時間短縮
工場内部の図面作成までの過程の大幅な短縮が可能です。改修規模によっては1週間以上かかることもありますが、3Dレーザースキャナーを使えば現調から図面の完成まで最短2〜3日に短縮できることもあります。図面の制作日程が明確になりやすく、工程管理がスムーズです。
人員の省力化と労務負担の軽減
現地調査にかかる時間と手間を大幅に削減できるため、人員の省力化と作業時間の短縮につながります。 少ない人数でCAD業務を回せる上、CADオペレーターの業務負担を縮小でき、残業などの労務負担も軽減できます。
プレゼン資料作成のツール機能
3Dレーザースキャナーを使用し3Dモデルを作成することにより、客先へのプレゼン時など、視覚的に分かりやすいシミュレーション資料を提出する際にも有効なツールです。
- 既存の設備を撤去する場合や、そこに新しい設備を設置する場合のシミュレーションができる
- 撤去や搬入の際、ほかの機器や部材に干渉せずに通れるか、シミュレーションできる
- プリセールス段階での調査にかかる工数を減らせる
- BIMソフト(CAD)で共有できる ・強度解析や空調解析ができる
現地調査の際、目視ではとらえにくい部分の反映や口頭では表現しずらい箇所を、画像によって可視化できるため、説明を補佐するツールとしても役立ちます。
3Dレーザースキャナーの詳細はこちらのページをご確認ください。
まとめ:改修工事の施工図は3Dレーザースキャナーで
施工図には施工に必要な情報がすべて記載されているため、改修工事を含めたあらゆる建築工事に使用します。しかし、古い工場などでは施工図が残っていないケースもあり、正確な情報がない状況で改修工事を行うのは大変問題があります。
3Dレーザースキャナーを使用すると、立体的なモデリングにより建物構造を正確に再現できるほか、現地調査の短縮と施工管理技士の省力化につながります。作図はもとより、コスト軽減、資料作成にも利用できる3Dレーザースキャナーがおすすめです。
業界ひとすじのプロ集団である三興バルブ継手株式会社では、「配管設備資材の販売・納品」だけでなく、改修工事現場を中心とした「3Dスキャナによる図面作成」や、「配管加工・ハウジングプレファブ加工」までワンストップでお届けできるサービスを展開しております。幅広い知識を持つ専任の担当者が対応いたしますので、お気軽にお問い合せください。
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