配管図面を3Dで作成するメリット|必要なスキルや作成方法を紹介
配管が重なり合う複雑な現場などを2D図面で表すと、施工の際にイメージしづらい場合があります。現場を明確にイメージし、施工をスムーズに行うには、配管図面を3Dで作成するのがおすすめです。
しかし、配管図面を3Dで作成した経験がない方もいることでしょう。そこでこの記事では、配管図面を3Dで作成するメリットと、作成に必要なスキル、作成方法などを紹介します。
この記事では、配管系統図や使用する記号などを解説します。建設に携わる方にとって重要なスキルの1つとなる配管図面の見方を学べる内容です。
配管図面を3Dで作成するメリット
3D図面とは、仮想空間に立体を構成し、複雑な構造物をわかりやすく表した図面のことです。
3D図面は、X・Y・Z軸を用い三角法で描く2Dデータよりも視覚的にわかりやすいうえ、3D CADを使えば体積・表面積・質量・重心などを算出できるため、配管図面に関して知識や経験が浅い方への情報共有がしやすいです。
2D図面で配管の全体像を把握しようとすると、目の前にある平面図を見ながら、角度や位置などを縦方向で確認し、配管の形状をイメージする必要があります。この方法では、ひと目でわかりにくいため、配管が複雑になるほど認識の齟齬や余分な作業時間が発生する場合があります。
しかし、コンピューター上に立体として表現する3Dでは、視覚的にわかりやすく表示されるため、複雑な配管であっても認識しやすく、齟齬が少なくなります。
また、配管のほか、配管ラックや点検架台、躯体、機器など、配管に関するあらゆることを詳細に表現できるため、現場の技術者やクライアントにも完成のイメージをわかりやすく伝えることができます。
加えて、配管がほかの配管や周辺設備と干渉する可能性がある箇所の検出も行えるのもメリットです。
3Dの配管図面を作成するために必要なスキル
配管図面を作成するために必要なスキルは主に2つです。
- 3D CADソフトの活用スキル
- 設計図を読み取るスキル
それぞれについて解説します。
1.3D CADソフトの活用スキル
配管図面を3Dで作成する場合は、3D CADソフトを活用します。そのため、3D CADに関する基本的な知識や操作スキルに加えて、モデリングや編集、表示の機能を把握することが重要です。
配管部品の選択と配置、接続方法、サイズ調整などに加えて、視点やライティング、レンダリング技術を習得すると視覚的な表現力が高まり、正確な図面で見やすい図面を作成できるようになるでしょう。
汎用性が高い「AutoCAD」のほか、「CADWe’ll Tfas 13」「Rebro(レブロ)」などの活用スキルを身につけておくといいでしょう。
2.設計図を読み取るスキル
配管図面は、設計図を基に作成するため、記載の内容や専門用語を読み取るスキルが必要です。また、配管に関連する記号のほか、周辺の電気や冷暖房などの設備を示す図面記号を把握しておくことも重要です。
寸法を示す線と数値でオブジェクトのサイズや位置関係を示す寸法記号や、オブジェクトの断面を示す断面記号、縮尺など、設計図面を正確に理解を読みとるには、さまざまな記号を理解しておかなければなりません。配管図面に使用する部品や施工上の詳細をかき込むのが難しい場合は、簡略化した記号などを使用することもあるため、図面記号を覚えておくといいでしょう。
資格取得によって3D配管図面の作成スキルを身につける
3Dの配管図面を作成するために資格は必須ではありませんが、資格取得を目指す過程でスキルが身につきます。3D配管図面の作成スキルを身に付けるには、以下の4つの資格を取得するのがおすすめです。
- CAD利用技術者
- 建築CAD検定
- オートデスク認定
- CADデザインマスター認定
これらの資格を取得する過程で、CADの基本的なスキルや建設・建築図面作成に必要な知識を体形的に学べます。また、取得することで、建築・建設業界での実践的なノウハウを習得できるでしょう。
この記事では、配管系統図や使用する記号などを解説します。建設に携わる方にとって重要なスキルの1つとなる配管図面の見方を学べる内容です。
3Dの配管図面を作成する方法
3Dの配管図面を作成する方法は、主に3つあります。
- 自社で内製化する
- 建設コンサルタントに依頼する
- 図面作成の専門企業に依頼する
それぞれについて解説します。
1.自社で内製化する
自社の社員を教育する、またはCADオペレーターを新規雇用し配管図面の作成を内製化すると、業務を一貫して行うことができます。
ただし、3D CADソフトの導入や維持にコストがかかるため、自社の予算によっては内製化が難しい場合があります。また、社員を一から教育するには教育費がかかりますし、CADオペレーターを新規雇用するには人件費がかかるため、慎重に検討しましょう。
2.建設コンサルタントに依頼する
3Dの配管図面の作成を建設コンサルタントに依頼する方法もあります。建設コンサルタントは、建設プロジェクトの計画、設計、施工、運営などのさまざまな段階において、専門的なアドバイスや支援を提供する専門家や企業のことを指します。
建設コンサルタントは、プロジェクトの立ち上げの段階で、土地調査や需要分析、技術的・経済的な可行性評価などを行い、プロジェクトの方向性を決定します。さらに、建築や構造、電気、配管、通信など、プロジェクトに関連する技術分野の専門家が、設計や工学的なアドバイスを提供するなど建設案件の受注から納品までをサポートしています。
3Dの配管図面の作成も含めた依頼を行うことで、ワンストップでプロジェクトを進められるメリットがあります。
3.図面作成の専門企業に依頼する
図面作成を専門にしている企業に依頼すると、スピーディーに質の高い図面を作成できます。
図面作成の専門企業には、図面作成に対するノウハウや技術が豊富なスタッフが在籍しています。配管図面の作成はもちろん、現地調査から設計図面の作成まで一括して行うサービスもあり、必要な時に図面の作成を依頼できます。
特に3Dでの配管図面の作成のみを依頼したい場合、専門業者への依頼がおすすめです。
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三興バルブ継手株式会社は、建設会社や建設設備会社の省人化・省力化に役立つサービスの1つとして、現況図の作成代行を行っています。
3Dレーザースキャナーによる現況図作成により、現地調査から図面作成にかかる業務を最短3日で行うことができます。配管図面のほか、建設現場のおける図面作成のさまざまなニーズに対応しています。
現況図作成サービスのほかにも、ご注文いただいた配管資材を加工した状態で納品するサービスも提供しています。これにより、従業員の業務負担の軽減や新しい人材の採用コストの削減につながります。
図面作成をはじめ、建設業界で業務の効率化に課題を感じている場合は、三興バルブ継手にご相談ください。
配管図面を3Dで作成して業務をスムーズに進行しよう
配管図面を3Dで作成することによって、複雑な配管がイメージしやすくなり、クライアントをはじめとした関係者への説明やプレゼンがスムーズに行えるようになります。3Dモデルで干渉チェックを行えば施工時のトラブルやミスの防止にもつながります。
とはいえ、内製化が難しい場合や配管図面のみ依頼したい場合には、図面作成の専門企業に依頼してみてはいかがでしょう。